愛知県東郷町和合、「ららぽーと愛知東郷」の近くに2023年2月1日にオープンした本格ジビエ料理レストラン「zoi(ゾイ)」。ギリシャ語で「生命」を意味する店名のこちら、一見すると店内も料理も洗練されたレストランといった様子ですが、実は「社会課題にとことん向き合うレストラン」なのです。どんな社会課題なのか?さっそくお店に足を運んでみました。
豊田市足助の獣害廃棄がきっかけに
レストランオープンのきっかけとなったのが、豊田市足助で獣害に悩む農家さんから「獣害対策で狩った動物の8割が廃棄されている」という話を聞いたこと。森に生きる動物だって、新鮮なうちに処理をすればおいしく食べられる。そのことを知ったオーナーの濱野剣さんは、自身が運営している障がい者支援施設の方たちと一緒にお店を開くことを決意します。
障がいのある人も得意を生かして
ここで料理を作ったり、サーブしたりと働いている人のなかには、障がいのある人もいます。「豊かな日本でも障がいのある方の職業の選択肢は少なく、時給も全国平均で222円と低賃金。自立して暮らしていくには難しい世の中です」と濱野さん。
zoiでは障がいのある人もない人も、時給は同じ。「発達障がいの人なども企業で働いたときに苦労することがありますが、誰でも得意なことや苦手なことはあるし、得意なことを生かして、苦手なことは助け合いながら仕事をしていけばいい。対話を大事にして、できるだけ働きやすい環境をつくることが私の役目です」と話します。
障がいがあっても味覚がものすごく優れていたり、鋭い観察力があったり。ここではみんなが得意を生かし、“障がいのある人が働いているレストラン”としてではなく、“おいしい料理や心地いい空間で過ごせるレストラン”としてのクオリティを追求しています。
肉の旨みが堪能できる多彩なジビエ
ジビエというとどんなイメージを抱きますか? なかには「臭みがありそう」と思っている人もいるかもしれません。ところが新鮮なうちに下処理をすれば臭みはなく、むしろお肉の旨みを強く感じられるのがジビエ。zoiではイノシシやシカ、クマ、ヌートリア、キジや山鳩などの鳥などさまざまなジビエに加えて、濱野さんが運営する障がい者支援施設で所有している畑で育った野菜、農家さんで規格外となってしまった野菜などが料理に使われています。
お昼のコース
1,800円~(3コース)
・季節の前菜3種
・本日のスープ
・自家製パン2種
・パスタ/リゾット/ジビエハンバーグ
・くろもじ茶/エスプレッソ
など
夜のコース
6,800円~(2コース)
・アミューズ
・前菜5種盛り合わせ
・本日のスープ
・自家製パン2種
・チーズ盛り合わせと採れたて野菜
・パスタ/リゾット
・本日のジビエロースト(鹿/猪)
・季節のソルベ
・くろもじ茶/エスプレッソ
など *コース以外にアラカルトメニューもあります
パスタは1つひとつの食材の味わいが引き立っていて、風味豊か!
前菜は、合鴨の心臓と砂肝のコンフィ、ジビエのパテ、マスのカルパッチョ、イノシシのボイルハム、合鴨のガランティーヌなど。お肉の多彩な味わいが楽しめて、一緒に訪れた人との会話も弾みそうです。
「クレピネット」はイノシシ、シカ、合鴨を使い、肉と卵だけで仕上げた料理。赤ワインソースがマッチした、まさにジビエの旨みが堪能できる一皿です。
ジビエの多彩な味わいに驚くとともに、味にも見た目にもこだわった料理の数々。森のごちそうを味わいに、レストランzoiに足を運んでみて。
住所 | 愛知県愛知郡東郷町和合林清池90-1 |
営業時間 | ランチ11:30~14:30(LO13:30) ディナー18:00~22:00(LO21:00) |
定休日 | 水曜 |
駐車場 | 4台 |
アクセス | 名古屋第二環状自動車道「植田」ICより車で約10分 東名高速道路「東名三好」ICより車で約20分 |
TEL | 0561-56-7115(10:00~22:00) |