地下鉄東山線星ヶ丘駅に隣接する「星が丘テラス」。その一画の小高い丘上に佇む「TT” a Little Knowledge Store(トド アリトル ナレッジ ストア)」は開放的な店内で、「日常の中の特別」をコンセプトに、季節の食材や味わいを大切にしたジャンルにとらわれない料理を楽しむことができると人気のお店です。
↑大きな窓からは光が差し込み、店内にはゆったりとした時間が流れます。
↑カウンターからは活気あふれる厨房の様子が伺えます。
イベントで星ヶ丘からカルチャーを発信
「飲食店という立ち位置に留まらず、新たな文化の発信地となる場所を目指しています」とスタッフの南愼一さんは語ります。トドでは、スタッフが愛する「音楽」や「アート」などのカルチャーを星ヶ丘から発信していくことを目指して、DJイベントや展覧会、ワークショップなどのイベントを積極的に企画しているそうです。
過去には、台湾の料理や雑貨をポップアップしたイベント「吃飯了!(ごはんですよ)」や、イラストレーター・SHOKO TAKAHASHIによる名古屋初の個展「”In the city”」、アーティストのアコースティックライブなどが催されてきました。
↑トドのコンセプトについてお話をしてくれた南さん。
↑花器や食器などを販売しているのも、お客さんがインテリアや食器という“日常を彩る新たなアイテム”と出会える機会をつくるのが目的です。
個性豊かな専門家集団が作るトドの料理
トドで提供している料理のテーマは「a Little Knowledge」。直訳すると「小さな知識」。管理栄養士やソムリエ、製菓衛生師、フードスタイリストなどのスタッフが集まって生み出す料理は、さまざまな味や風味、香りに触れることができます。
↑手前:「3種のお惣菜の盛り合わせ」1,100円(税込み)、中央:「蛸と白キクラゲとアボカドのセビーチェ」880円(税込み)。
↑「トドのお魚定食」1,760円(税込み)
ランチは肉料理・魚料理・唐揚げと3種類ある定食のほかに、薬膳冷やし中華、チキンカレー。この日のお魚定食は「ハモの唐揚げと発酵マッシュルームの冷製茶碗蒸し」。鱧の持つ繊細な味わいと、マッシュルームがベースとなった旨味たっぷりの出汁は相性抜群!
↑「薬膳冷やし中華」はピーナッツだれに自家製の薬膳ラー油がかかり、コクのあるピリ辛仕立て。自家製チャーシューは三重県菰野町のブランド豚・菰錦豚を使用しています。
↑「チーズケーキ」715円(税込み)
トドの看板スイーツが「チーズケーキ」。チーズの濃厚な味わいと程よい食感が魅力!夕方には売り切れてしまうこともあるほどの人気商品です。
クラフトビールやソムリエがセレクトしたナチュールワインなどアルコールメニューも充実。お酒にも合う“トドらしい味”をぜひ堪能してほしいと南さんは語ります。
↑お店で使用しているコップやお皿などは購入もできます。
野菜をはじめ食材の生産者との“つながり”も大切にしているトド。「野菜や食材は、人となりまで知っている生産者から仕入れるようにしています。また、その時々の旬の食材を使うことで、お客様に四季を通して自然とのつながりを感じてもらえるとうれしいです」と南さん。
↑“つながり”を大事にする生産者を中心に、日々新鮮な食材が届きます。
お店の味を自宅で!色彩豊かな「トド弁」
「新型コロナウイルス流行の影響もあり、気軽に外食に行けない人たちも多くいます。そのような中でも、私たちの料理を楽しみたいという想いにできる限り応えていきたいと考え、お弁当の販売を開始しました」と南さん。見た目や味のバランスを考えて一つひとつ手作りする“トド弁”は、蓋を開けると艶やかな見た目と多彩な料理に驚く「玉手箱」のような感覚で楽しんで欲しいのだとか。
↑彩り豊かなトドのお弁当。自宅でもトドの料理を楽しむことができます。※弁当の予約は前日17:00まで
ブライダル事業などのパーティー会場として、貸し切りにも対応するトド。「常連のお客様から、“この味を親族にも食べさせたい”、“この料理でゲストをもてなしたい”というお声をいただくこともあります。多くの縁が集まるブライダルの場所に選んでいただけるのは、人との“つながり”を大切にする当店にとって大きな喜びです」と南さん。トドの手がける個性豊かな料理やカルチャーは、飲食の垣根を越えてますます多くの人々を魅了していくことと思います。
(文:山田泰三)