2023年3月に創立100周年を迎えた頭髪化粧品メーカー・ホーユーが手がけた、日本初のヘアカラーに特化したミュージアム「ホーユーヘアカラーミュージアム」が名古屋市東区に2023年5月にオープン。
風になびく髪の毛をイメージしたという3階建てのミュージアム。1階は企画展スペース、2階はヘアカラーの歴史を展示、3階はホーユーの歴史が展示されています。さっそくHIROBAくんとでかけてきました。
ヘアカラーには想像以上に歴史があった!
ヘアカラーの歴史が展示されている2階へ。世界に目を向けると、なんとヘアカラーは紀元前3500年頃から始まったのだそう。その頃は白髪染めを目的として、主にヘナを使って染め、染めることが地位を象徴するものでもあったそうです。
日本でヘアカラーが始まったのは、奈良・平安時代頃から。当時の美人の証は「長い黒髪」。白髪は老いの象徴だと考えられ、地位のある女性たちはこぞって黒髪を求めるように。江戸時代に入ると庶民にも白髪染めが浸透したのだとか。
また、黒髪が流行った当時に、既婚女性の証として定着したのが「お歯黒(はぐろ)」。歴史ドラマなどで昔の女性が口を開けたら歯が真っ黒…!そんな光景に驚いたことがある人もいるのではないでしょうか。
お歯黒は虫歯を防ぐ目的もあったのだとか。お歯黒の材料にはお茶や米の研ぎ汁、酢などがありますが、古釘も入り、2~3ヶ月おいてタンニンが主成分の五倍子(ふし)を混ぜたものを使っていたそう。それで歯を染めていたというから、少し恐ろしい気も…!
「黒が美しい」といわれていた時代にも、戦後に変化が訪れます。カラーテレビが復旧し始めた頃。おしゃれ染めを中心にヘアカラーブームが到来しました。
ツヤを与えながら染めるヘアマニキュアが台頭し、一斉を風靡。
聖子ちゃんカットや、トレンディ―女優として名をはせた浅野温子さん、浅野ゆう子さんを思わせる、1980年代に流行した髪型も展示。
また、それまでムラなく染めるのが技術とされてきたのが、髪が伸びても自然になじむようメッシュを入れるという新たな歴史が刻まれます。
そんな変遷を経て、現在はますます多様なカラーリングを楽しむ女性が増えていますよね。時代によってトレンドは変わっていきますが、美を追い求める女性の気持ちは、いつの時代も通じるものがあるようにも感じました。
隣には、何やら近代的なスペースが…!
こちらでは、髪にまつわるデジタル体験が楽しめるようです。まずはヘアカラーの仕組みを体感!機械を持って画面を照らしていくと、どんなふうに髪が染まっていくのかが色でわかるという仕組みです。
また次の場所では、モニターの前に座って写真を撮ると…
自分の顔がいろんな髪型にチェンジ。どれが似合うかな!?
家族連れや友達連れでは、いろんな髪型の写真に大爆笑が起こることもあるとか♪
こちらは、鍵盤を押さえるといろんな色が融合していくというもの。色が混じっていくのがキレイで子どもに人気があるそうです。
3階に上がると…
ホーユーの歴史が紹介されています。
創業者の水野増次郎さんは、最初は名古屋で薬販売の仕事に就いてその後独立し、染毛剤の開発をしていくようになったそうです。いろんな挫折を経て、染毛業界のトップ企業になっていく変遷は、とても興味深いものがあります。
奥には、レトロな看板がずらり!
全国を巡って収集したという看板は、貴重なものもたくさんあります。
美への追及にどっぷりと浸る、ひとときを満喫!ヘアカラーや美の変遷に興味がある人は訪れてみてはいかがでしょうか。1階には自動販売機でレトロかわいいオリジナルグッズも販売されていましたよ。
住所 | 愛知県名古屋市東区徳川町903 |
営業時間 | 10:00~17:00 ※毎日14:00~館内案内ツアーを実施(予約不要・無料) |
休館日 | 日・月曜、祝日 |
入館料 | 無料 |
駐車場 | なし |
アクセス | JR・名鉄・地下鉄「大曽根」駅より徒歩約10分 ※徳川美術館の目の前 |
TEL | 052-559-4931 |