陶磁器生産が盛んな岐阜県土岐市で創業60年を迎える業務用食器メーカー・光洋陶器による、うつわの複合体験施設「KOYO BASE(コウヨウベース)」が2023年1月にオープン。カフェスペース、販売スペースを中心に、工場見学やワークショップが体験できます。さっそくHIROBAくんとでかけてきました!
“うつわを丸ごと味わえる”KOYOBASE
岐阜県土岐市で作られる陶磁器は「美濃焼」と呼ばれ、国内の約7割の食器がこの地域で製造されています。そんな陶磁器産地で1964年から国内のホテル・レストランなど業務用食器メーカーとして成長してきた光洋陶器。
工場の生産管理や製造現場の先進化・効率化が評価され、2019年には「スマートファクトリー AWARD 2019」を受賞。工場を一般にも開放し、さらにうつわにおいて「食べる、買う、楽しむ、学ぶ」という4つの体験が楽しめる場所として複合体験施設「KOYO BASE」をオープンさせました。
「Clay to Table」をコンセプトに、土(Clay)から食卓(Table)まで、“うつわを丸ごと味わえる”岐阜の新スポット。1階入口には、かつてアメリカへ輸出していたというアンティーク調のうつわを展示。現代の日本ではあまり見られないデザインや色使いは思わず足を止めたくなります。
階段を上がった2階には広々とした開放的なカフェスペース、うつわの販売スペース、ワークショップスペースがあります。
“四季で変わるうつわと料理”が楽しめるランチ
4種類のランチやデザートなどが味わえるカフェスペース。デザートやドリンクのみの利用もできます。
ランチの定番メニューは「農園野菜のスパイスカレー」。お重箱のようにうつわが2段重なって運ばれてきます。副菜が盛り付けられた1段めのうつわを持ち上げると、ふわっとスパイシーなカレーの香り!
もともとは、節句などお祝い事で使用していただく重箱として開発されたうつわですが、カフェのオープンと同時に新たな用途としてカレーに使ってみたのだそう。五感で楽しませる不動の人気メニューです。
魚や肉がメインとなったランチは、季節によって料理が変わります。2023年夏季シーズンのおすすめは、土岐市の有機農園で育てた野菜を使った「ひのき牛と飛騨高山豚のハンバーグとお野菜のセット」。
副菜に「夏野菜のラヴィゴットソース」や「緑野菜のリコッタチーズ味噌和え」、「黄色のポテトサラダ」、「寒天トマトテリーヌサラダ白ごまドレッシング」が小鉢で添えられ、「農園野菜のお味噌汁」と「郷土の味ごはん」が付きます。今まで出会ったことのない味付けが楽しめる副菜にも、こだわりを感じますね。
ドリンクのおすすめは、形の異なる3種のカップでコーヒーの飲み比べができる「ORIGAMI Cup 飲み比べセット」。秘密はカップの形状の違い。それにより味の感じ方が異なるのだとか。コーヒーの本格的な味わいはもちろん、うつわの奥深さを感じられるメニューです。
実際に飲み比べを体験して、気に入ったカップを購入する人も多いそうです。
光洋陶器のうつわと出会える販売スペース
カフェで実際に使っているうつわのほか、光洋陶器のうつわやORIGAMI製品は隣の販売スペースで購入することができます。ランチメニューのセットごとに並べられているので、使うイメージが沸きやすいですね。副菜や汁物のうつわの使い方もオシャレで勉強になります!
1ヶ月先まで予約が埋まるワークショップ
販売スペースの隣の空間では、2つのワークショップを体験できます。「絵付け体験」では素焼きのうつわに専用の絵の具で好きなイラストや文字をペイント。お皿やマグカップ、丼などうつわを自由に選べるのも喜ばれているポイント。
「転写体験」は20種類以上の転写シート(紙銅版)を切り貼りしてオリジナル食器をつくります。土日の予約は1ヶ月先まで埋まるほど人気なのだそうで、早めの予約がおすすめです。
ほかにも月に1度、ゲストを招く特別ワークショップを開催。バリスタが教える「はじめてのコーヒードリップ教室」やフードコーディネーターによる「器と食卓のコーディネート教室」など参加したくなるイベントが盛りだくさん。
名誉ある賞を受賞した工場の見学
敷地内には「スマートファクトリー AWARD 2019」を受賞した工場があり、熟練の職人技と最新のオートメーションが融合した製造ラインを間近で見ることができます。
うつわができあがるまでの一連の工程すべてが公開され、まさにコンセプトの「土(Clay)から食卓(Table)まで」を体現しています。
リピーター客も多く、なかには毎日来店される常連さんもいるという「KOYO BASE」。ぜひ1度、うつわを五感で楽しめるスポットを訪れてみてはいかがでしょうか。
(文:宇佐美真弓)
住所 | 岐阜県土岐市泉町久尻1496-5 |
営業時間 | 11:00~17:00(カフェLO16:30) |
定休日 | 火曜・水曜 |
駐車場 | あり |
アクセス | 中央自動車道「多治見」ICより車で約10分 |
TEL | 0572-55-5501 |