芸術鑑賞を楽しむように巡る「名古屋城本丸御殿」の歩き方

天守閣の木造復元事業や、最新グルメが目白押しの「金シャチ横丁」も登場し、注目が集まる名古屋城。10年にも及ぶ復元計画により、2018年に完成公開した「名古屋城本丸御殿」も大きな話題を集めています!建築好きや歴史好きでなくても見どころ満載の名古屋城。さっそくHIROBAくんと一緒に訪れました!
 

もくじ

近世城郭御殿の最高傑作が、今に蘇る!

 

本丸御殿は天守閣とともに国宝に指定されていましたが、1945年(昭和20年)の空襲で惜しくも焼失。江戸の最先端技術による“最高傑作”が、平成最後の年である2018年に見事蘇ったのです!
HIROBAくん:「なんだか、時を超えたロマンを感じるね…!」

 

復元の最終章となる今回は、今まで公開されていなかった「上洛殿」「湯殿書院」「黒木書院」などがお披露目されました。
「上洛殿」から「鷺之廊下」を挟んですぐ横にある「梅之間」も、その1つ。将軍をもてなす上級家臣の控えの間だったそうで、金箔が使われた壁がまぶしい!
 

「上洛殿 上段之間」

 

「上洛殿 一之間」

 

江戸幕府将軍が宿泊するために建てられた「上洛殿」は、特に豪華。「上段之間」をはじめ、「一之間」「二之間」「三之間」などの部屋で構成されています。
襖絵や彫刻欄間といった装飾1つひとつが圧巻の美しさ!思わず見入ってしまいます。障壁画は、日本美術史上最大の画派として知られる「狩野派」によって作られた装飾を再現しているんだそう。

 

こちらは、将軍専用の浴室「湯殿」がある「湯殿書院」。湯船のあるお風呂ではなく、サウナ式のお風呂になっています。
HIROBAくん:「将軍はこんなお風呂に入ってたんだ~!」

 

清須城にあった徳川家康の宿舎を移築したものだとも伝えられている、「黒木書院」。他の部屋はヒノキで作られているのに対し、この部屋だけ松が使われています。襖絵も色味を落とした水墨画。
襖絵や天井板絵などに描かれるモチーフのランクは、走獣(虎など)→花鳥→人物→山水(水墨画)の順に上がっていくんだとか。他の部屋と比べて落ち着いた印象ですが、格式高い部屋だったことが分かりますね。

 

本丸御殿に来たら、装飾にも注目!

 

「上洛殿に続く廊下の天井」

 

「上洛殿 上段之間の天井」

 
「HIROBAくん、歩きながら天井も見上げてみて!」
部屋の格式が上がるほど、天井の装飾が豪華に。本丸御殿の中で1番格式の高い「上洛殿 上段之間」は、天井板絵、漆、さらに漆の上から描かれた蒔絵で仕上げられています。天井板絵は水墨画で描かれ、こちらも格式の高さが見てとれますね。

HIROBAくん:「どこを見ても芸術品がいっぱいで、まるで美術館みたい!」

 

「上洛殿 廊下の欄間」

 
装飾が見逃せないのは、天井だけではありません。欄間も、格式によって変わるんだそう。上洛殿の廊下には、透かし彫りの花模様から柔らかな外光が入る「花狭間格子欄間」が。
 

「上洛殿 廊下の彫刻欄間」

 

「上洛殿 一之間の彫刻欄間」

 
上洛殿の廊下、そして上洛殿の各部屋にある彫刻欄間は、花鳥風月をあしらった極彩色!三之間では鳥が後姿だった彫刻欄間が、実は、二之間から見ると正面を向いているなど、細かい部分にも格式が表れています。

 

「上御膳所の釘隠し」

 

「上洛殿の釘隠し」

 
釘の頭を隠すための装飾である「釘隠し」も、格式が上がるとどんどん豪華に。こうした飾金具もよく見ておきたいところ。本丸御殿全体で約3,000個もの飾金具があり、職人の手作業で作られています。
HIROBAくん:「装飾を眺めるのも楽しみの1つだね!」

 
400年前、当時の一流職人が作った「名古屋城本丸御殿」が、現代の一流職人の手により再び私たちの前に!手の込んだ建築や装飾に目を向けながら楽しんでみては?

 

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