季節の手しごと① インテリアにも映える甕“TOKONAME CROCK”で発酵させる、冬の手しごと【味噌仕込み】

 
味噌仕込みは“寒仕込み”がいいといわれ、冬に仕込んでおき、暑い夏にぐぐっと発酵が進み、10ヶ月後くらいにちょうどいい塩梅に。発酵ブーム高まる中、初心者にもはじめやすい味噌仕込みを体験するべく、愛知県常滑市にやってきました。場所はTOKONAME STORE。
 
土鍋で炊いたごはんで丁寧に握るおにぎりが好評の「おにぎりやさん」店主・杉江さおりさんが講師となり、西尾市にある「みやもと糀店」の大豆と糀、常滑焼の窯元「山源陶苑」が手がける甕(かめ)を使った味噌仕込みワークショップが2~3月にかけて開催されています。
 

 
その昔、常滑焼の材料保管庫だった倉庫を改装した「TOKONAME STORE」。山源陶苑が手がける陶器を販売するギャラリーやカフェ、陶芸体験ができるスペースがあります。
 

 
テーブルに用意されていた味噌仕込みセット。
・すり鉢 ・すりこぎ ・大豆500g ・糀520g ・塩210g
これを使って2kgの味噌を仕込みます。通常、大豆と糀の割合は1:1だそうですが、2kgと量が少ないことから発酵しやすくするため糀がやや多めに。味噌仕込みをする際は、前日に[大豆を3~5回くらい水を変えながらよく洗う][大豆の3倍の量の水に18時間以上浸ける]、当日に[大豆を弱火でアクを取りながら4~5時間ほど煮る]という準備が必要ですが、ここまでの段取りを杉江さんが済ませておいてくれました!
 

 
和気あいあいとした雰囲気でワークショップがスタート。中には親子や夫婦で訪れているペアも。杉江さんいわく、「味噌仕込みは絶対に1人でやるもんじゃないです」。この意味は後から実感することとなりますが……まずは、豆をつぶすことから始めましょ~!
 

 
すりこぎでつぶし始めると、大豆のいい香りが鼻をくすぐります。均一につぶしていくのが、発酵にムラができないようにするポイント。ちなみに大豆は、親指と小指で挟んでつぶれるくらいの柔らかさに煮ておくのがよいそうです。
 

 
大豆をつぶす作業は結構な力仕事。冬なのに額に汗がにじんできました…! つぶしてもつぶしても、丸っとした大豆が現れて、いたちごっこのよう。これはたしかに、1人では辛い作業。みんなとワイワイした雰囲気だからこそ、楽しく大豆と向き合えるんだと実感。
杉江さん「苦労するほど、おいしいものが作れるんです」。なるほど!10ヶ月後を楽しみに、ひたすら大豆をつぶします。
 

 
テーブルお向かいさんのご夫婦。杉江さん「男性は力があるので、すりこぎ作業が得意な人が多いんですよ」。料理好きだという旦那さま、まさに“すりこぎ男子”たる慣れた手つき。みるみるうちに、大豆がつぶされていきます。
 

 
ある程度大豆がつぶれたら、糀と塩をまぜて手でほぐしてから、何回かにわけてすり鉢に加えて混ぜ合わせます。
大豆と糀の「みやもと糀店」ですが、もともと西尾市にある農家で、大豆や米を育てて味噌仕込みをするうちに発酵の世界に魅せられ、糀店もはじめたということ。無農薬・無化学肥料で育てた自社農場の原料を中心につくられた糀。手前味噌なら、素材にこだわるのもいいですよね!
 

 
ここからは手で混ぜていきます。こどもも大好きな作業です!
 

 
「おいしくなーれ!」と唱えながら、こねこね、こねこね。
 

 
ところでこの味噌。材料や分量は同じでも、家庭によって仕上がりの味が違うとのこと。それは発酵させる環境もそうですが、手に存在している常在菌が1人ひとり違うため。家の中にある常在菌も違い、家庭でつくった味噌は、その家族がおいしい!と感じる味に仕上がるのだそうです。こどもが自分のお母さんがつくったおにぎりがおいしいと感じるのも、常在菌が影響しているのかもしれませんね!
 

 
糀と塩をすべて混ぜ合わせたら、野球ボールくらいの団子をつくります。この甕、TOKONAME CROCKの素晴らしいところが、蓋に取っ手がついていないから逆さにして味噌ボールを乗せる台にもできるところ。
 

 
団子にしたら、甕の中に向かって思いっ切り投げます!
投げる理由は、空気を抜くため。いい音が響くと、気分もスッキリ!
 

 
皆さんも、ここ一番の笑顔!
 

 
仕上げに、塩をふりかけて完成。
 

 
あとは10ヶ月ほどの間、蓋を開けずに15℃~25℃くらいの室温で放置します。
 

昨年杉江さんがつくったのがこちらの味噌。こんなにも色が変わるんですね!
 

 
その味噌を使った味噌汁とおにぎりをいただきました。シンプルな具でも、とってもおいしい! ちなみに、市販の味噌でもすりこぎですってから味噌汁にすると、おいしさがアップするそうです。
お腹も満たされたところで、TOKONAME STOREから少し歩いた場所にある山源陶苑さんの工場見学ツアー
 

 
道すがら、常滑焼の歴史の足跡が残るポイントを教えてもらうのも楽しい!
 

 
工場内では、職人さんの制作風景を間近で見せてもらいました。慣れた手つきで次々と形づくられていく様子に目を奪われます。
 

 
素焼きをした後、本焼きをする窯。8時間かけて1,200℃まで上がり、24時間かけて焼き上げます。
 

 
焼き上がったTOKONAME CROCKを発見。
 

 
鋳込み(いこみ)成形をする工程。1つひとつ手作業で行われます。なにしろ工場内はとても寒いし、土も冷たい。そんな中、職人さんたちが丁寧に手作業で仕上げる様子を目の当たりにして、改めて今回使用したTOKONAME CROCKにも愛着がわいたし、いいものを大切に使うようにしていきたいと思いました。
 

 
釉薬をかける前のTOKONAME CROCK。
 

 
TOKONAME CROCKには白、水色のほか茶もあります。
初めての味噌づくり。“手前味噌”にもはや愛着いっぱいですし、次は親子で9kgや10kgの味噌づくりにも挑戦してみたいな~と思います。
 
(写真:西澤智子 文:広瀬良子)
 
 

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