買い物の不自由を救う移動スーパー 「旨味屋号」が瑞浪を快走!! 【株式会社旨味屋クラブ 取締役 三輪祐治郎さん・三輪晃治郎さん】インタビュー

Movement_12_01

岐阜県瑞浪市。自然豊かなこの地域で最近、地域のお年寄りを中心に話題を呼んでいるのが移動スーパー「旨味屋号」です。生鮮から惣菜、お菓子まで、1台にぎっしり詰め込んでお客様のもとへ走る「旨味屋号」は、郊外で暮らし、買い物に不自由している人々を支援する目的でスタートしました。
この事業を行う株式会社旨味屋クラブは2017年7月で会社設立1周年を迎え、また、8月には3号車が新しいルート(瑞浪市稲津町、陶町、土岐市駄知町)を走ることが決まっています。取締役の三輪祐治郎さんと三輪晃治郎さんに、このビジネスを始めたきっかけや将来のビジョンについてお話しをいただきました。

Movement_12_02

Movement_12_03
↑ 毎週月曜~土曜、瑞浪エリアを走行する移動スーパー「旨味屋号」。月・木曜は釜戸町、火・金曜は日吉町、水・土曜は瑞浪市街地を中心に巡回するといいます。(2017年5月現在)

― 移動スーパー「旨味屋号」の後をついて巡回させていただきました。ドライバーさんは朝11時から夕方4時頃まで1軒1軒、個人のお宅を中心にまわっているのですね。とても丁寧ですね。

祐治郎:ドライバー1人につき 1日に50人以上のお客様のもとへ商品をお届けすることを目指しています。計画段階ではドライバー1人が受け持つお客様の数は月曜から土曜まででトータル150人程度と予想していたのですが、現在、200人近くのお客様がついてくださっている状況です。お客様からお客様への紹介、もしくは、ケアマネージャーさんや民生委員さんから情報をいただいて、出向くこともあります。クチコミを中心に、これだけたくさんの地域の方に旨味屋号のことが伝わって、とれもうれしく感じています。

晃治郎:お客様の多くは地域でひとり暮らしをする70代、80代の方です。家からあまり離れた場所や坂の下に停車していたら、商品を買ったはいいけど重たくて持って帰れません。特に風雨の強い日や暑い日は大変ですから。1号車ドライバーの河合宏紀は、要望があれば家の玄関に商品を並べてあげたり、買い物袋を冷蔵庫の前まで持っていってあげたりすることもあるんです。

Movement_12_04
↑ 兄の三輪祐治郎さん

Movement_12_05
↑ 弟の三輪晃治郎さん

― おふたりのご実家は“元祖牛まぶし”で有名な料理店「みわ屋」。飲食業を55年間続けてこられて、どうして今、新事業として移動スーパーを始めたのでしょう?

祐治郎:「みわ屋」は祖父母の代から始まったのですが、店は伝統を受け継いで続けながらも、時代の変化に合わせて新しい事業展開ができないかと考えてきました。僕らは双子で、瑞浪市日吉町という郊外の街に生まれ育ったのですが、ふと、近所に暮らすお年寄りたちが「どうやって買い物しているんだろう」と気になりました。一番近いスーパーまで出るのにタクシーで片道2500円だなんて、気軽に買い物にも行けない。もっと買い物を楽しんで、毎日の食生活を豊かにしてほしいと考えたんです。

晃治郎:僕らの代で新しいビジネスを始めていこうと意気込み、経営大学院にも通いました。株式会社旨味屋クラブは社内の従業員としてのドライバーではなく、ドライバーが個人事業主として独立した存在であることを強みとしたビジネスモデルを構築しました。組織力を強くすることを目指しています。
「みわ屋」も「旨味屋号」も「食で人を幸せにする」という根底にある精神は共通しています。食べることで幸せになるということは、時代が進んでも変わらない。「食」の価値を、新しい業態でも広めていきたいと思いました。

Movement_12_06

Movement_12_07

― 創業のときのチャレンジ精神が、かたちを変えて受け継がれているんですね。

祐治郎:田畑や川以外何もないところで商売を始めようと思い立ち、実際に行動に移した祖父母のことは本当に尊敬しています。店舗を切り盛りし、販路を拡大してきた両親の背中も見てきて、僕らもチャレンジせずには終われないと思いました。

晃治郎:2005年にみわ屋で販売を開始した「飛騨牛まぶし」のときも、「ひつまぶしなら知っているけど」と驚く方ばかりでしたが、移動スーパーも瑞浪市では初めての試みで、お客様も最初は恐る恐る近づいてこられた感じがします(笑)。

祐治郎:特に、郊外は都会に比べて保守的です。「なんじゃそれ」みたいなことを僕らもたくさん言われて、ビジネスモデルを否定されたこともありました。でも、めげずにやるしかない。父が「商売を楽しめ」と日頃から言うのですが、自分たちが考えたものがかたちになり、反響があることに、一番やりがいを感じています。

Movement_12_08

Movement_12_09
↑ 瑞浪エリアで走る「旨味屋号」では「みわ屋」オリジナルの総菜も販売されています。なんと、毎日新商品が出るそうです!

― 今までにないことを始めるって、とても勇気がいりますが、乗り越えて楽しむことで商売のやりがいが生まれるんですね。地域へ貢献しながら、ボランティアではなくちゃんと利益を生み出しているところも、「旨味屋号」ならではですね。

晃治郎:そうです。ボランティアだと長続きしません。あくまでビジネスとして取り組むことで利益が生まれ、事業が拡大、持続していく。そうするとお客様のニーズにもどんどん答えることができる。それが僕らが考えたビジネスモデルの大きなポイントだと思います。

祐治郎:スーパーの代行業ではなく、本部、スーパー、そして個人事業主であるドライバーが完全に独立した関係にあるのが特徴です。朝、スーパーに立ち寄ったドライバーが自ら商品をセレクトして旬の食材や、今一番売れ筋の商品を選んで「旨味屋号」に積み込む。スーパーの委託業だと、これがやりにくいんです。僕たちが売るのはスーパーの売れ残りではない。お客様が一番欲しいと思うもの。だから、選ぶドライバーも責任感とやりがいを持ってできるし、お客様にとってうれしいものを積めば評判がよくなり、結果的にスーパーにもメリットがある。

晃治郎:そうそう。価格はちょっとだけ高めに設定しているのですが、お客様から不満が出たことはありません。それよりも「欲しいものを気軽に買える」ことに価値を見出していただけているんだと思います。

Movement_12_10

― あくまでビジネスとして利益を上げることで、お客様も、ドライバーも、スーパーもうれしくなる。そして、地域がうるおう。素敵なビジネスモデルですね。8月末には3号車が走り出すそうですね。

祐治郎:はい。3台目が走ることで、瑞浪市全体がカバーできます。これだけお客様に「待っていてもらえる」商売は、なかなか無い。それが僕らがチャレンジし続ける原動力になっています。

晃治郎:走る車両の台数を増やすことで、買い物に不便している方を減らすことができます。僕らも、ドライバーと一緒に地域を巡回して感じるのですが、ひとり暮らしだと、おそらく1日のなかで「旨味屋号」のドライバーとだけ会話した、という方もいると思います。公園や集会所に停車するときなど、お客様同士の会話が弾んでいるのを見るとうれしくなります。買い物を通じたコミュニティがもっともっと広まることを願っています。

Movement_12_11

Movement_12_12

New Report

2026-04-14

TOPICS

日本三大山城夜景「岐阜城パノラマ夜景」4/18(土)・19(日)、4/25(土)~5/6(水・祝)

2025年12月に仙台城跡、松山城とともに「日本三大山城夜景」として新たなブランドを立ち上げた「岐阜城」。戦国武将「斎藤道三公」、「織田信長公」が築いたまちの夜景を見渡せる場所として、今後注...
浮世絵,歌川国芳,展,名古屋,愛知県美術館

2026-04-11

TOPICS

奇怪で粋な浮世絵ワールド「歌川国芳展ー奇才絵師の魔力」4/24(金)~6/21(日)

江戸時代後期に活躍した浮世絵師・歌川国芳の全貌に迫る「歌川国芳展―奇才絵師の魔力」が、2026年4月24日(金)~6月21日(日)に名古屋・栄の愛知県美術館で開催されます。 斬新な発想...

2026-04-09

書店員の本棚

親子で読みたい!新生活を応援してくれる絵本3冊:名古屋市南区「ブタコヤブックス」

愛知県名古屋市、名鉄「本笠寺」駅から徒歩2分の場所にある書店「ブタコヤブックス」。2025年7月にオープンした新刊書店です。小学校教員として16年勤めたのち書店を開業した店長の船張真太郎さん...

2026-04-07

TOPICS

巡回展が名古屋からスタート!「NHK大河ドラマ特別展 豊臣兄弟!」4/18(土)~6/14(日)

「彼が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまで言わしめた豊臣秀長の目線で、戦国時代をダイナミックに描く2026年NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」。ドラマと連動し、これまであまり光の当た...

2026-04-06

TOPICS

瀬戸のやきもの文化を体感!「Land of Pottery -瀬戸体感陶器市-」4/18(土)・19(日)

瀬戸と瀬戸焼を体感できるイベント「Land of Pottery -瀬戸体感陶器市-」が、2026年4月18日(土)、19日(日)に旧瀬戸市立深川小学校で開催されます。 展示販売だけで...

2026-04-03

シーズントリップ

話題の新スポットも続々オープン!愛知・岐阜・三重の最新グランピングスポット2026

これからの季節に楽しみたいグランピング。2026年3月に東海地方で初めてツリーハウスに宿泊できる施設が三重県菰野町にオープンするなど、注目スポットも増えています。そんな話題のスポットを中心に...

2026-03-31

TOPICS

地球のお宝大集合!「博物マニア2026」4/11(土)・12(日)

クリエイターによる自然科学のさまざまな分野をテーマにした創作雑貨をはじめ、化石や鉱物の実物標本の販売、自然科学について学べるブースなど150ブース以上が出展する「博物マニア2026」が202...

2026-03-27

HIROBAくんと行く

名古屋・栄の体験型フレグランスショップ「feel6」でオリジナルの香り作り!

最近、「自分だけの○○が作れる」体験やワークショップがどんどん増えていますよね。 2025年8月、名古屋・栄にオープンした体験型フレグランスショップ「feel6(フィールシックス)」で...
松本零士,展覧会,銀河鉄道999,名古屋美術館,名古屋

2026-03-26

TOPICS

没後初の大型展覧会「松本零士展 創作の旅路」3/20(金・祝)~6/7(日)

「松本零士展 創作の旅路」キービジュアル ©松本零士/零時社 時代を超え、世界中から愛されるマンガ・アニメ作品『銀河鉄道999』の漫画連載開始50周年を記念し、作者・松本零士さんの創造力の源に...

2026-03-20

TOPICS

キャラクター誕生30周年記念「ひつじのショーン展 with ウォレスとグルミット」3/28(土)~5/31(日)

ウォレスに“ショーン”と名づけられて30年。なぜ言葉を話さないショーンが、世界中のファンを惹きつけてやまないのか。その原点となった「ウォレスとグルミット」シリーズの色あせない魅力とは。 ...

2026-03-19

HIROBAくんと行く

初心者もハマる!日本最大級のワインメゾンがジェイアール名古屋タカシマヤに新登場

ジェイアール名古屋タカシマヤ地下2階から直結するファッションワン地下に2025年11月、日本最大級のワイン売場「ワインメゾン」が誕生。「ワインって敷居が高いイメージ」「種類が多すぎて選べない...
pagetop
もくじ