土山昂也さん
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本屋やカフェとは一味違う、図書館で第三の居場所を。【私設図書館もん・土山昂也さん】

土山昂也さん

名古屋市名東区で2022年3月に私設図書館もんを開業した土山昂也さん。「誰かの第三の居場所を作ること」方法として、土山さんにとってのベストな方法が私設図書館だったのだそう。もんとは一体どんな場所なのか、話を伺いました。

土山昂也さん

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20代後半での読書経験で、「この世には問題が山積みだ」と気付き、「より多くの人が暮らしやすい社会づくりの一助になりたい」という思いが芽生える。全国を旅してさまざまな地域の文化や人と出会い「自分には一体何ができるのか」を模索するなか、ある古本店で教わった「私設図書館」という存在が、土山さんの人生を変えることに。

土山昂也さん

土山昂也さん

20代後半での読書経験で、「この世には問題が山積みだ」と気付き、「より多くの人が暮らしやすい社会づくりの一助になりたい」という思いが芽生える。全国を旅してさまざまな地域の文化や人と出会い「自分には一体何ができるのか」を模索するなか、ある古本店で教わった「私設図書館」という存在が、土山さんの人生を変えることに。

土山昂也さん

第三の場所を、なぜ私設図書館という在り方に?

土山さん(以下、敬称略):

お店にふらりと入ったはいいけどめぼしい物がないとき、気まずく思ったことはありませんか(笑)?また、だれかとしゃべりたいなと思っても、カフェで隣の席に座った見ず知らずの人に話かけるなんてこと、まずないですよね。

たしかに!「買う」「食べる飲む」以外の目的で店には行きづらいです。

土山:

私設図書館だったら本を無理に買わなくてもいいし、何時間いてもいい。スペシャルティコーヒーなどのドリンクもお出ししていますが、カフェではなく私設図書館なので。何なら本も読まなくてもいいという(笑)。

それは、ふらっと入りやすいですね。

土山:

自由に過ごせるし、偶然出くわした人とも何気ない会話が生まれやすいのかなと。実際に、そんな場面をよく目にします。

私設図書館もん

小学生も訪れるとか。

土山:

ちょうど学区の境目で、近隣のいろんな学校の子どもたちがやってきます。「もんに集合してから、〇〇に遊びに行こうぜ」と、待ち合わせ場所として利用してくれることも多いんです。

それは地域の親御さんにとっても安心ですね。

土山:

親子で来て「はじめまして」とあいさつを交わす……という光景もよく見かけます。

私設図書館もん

ところで、土山さんは子どものことを「小さい人」と呼んでいますが?

土山:

これからの世の中を担っていく彼らを一人の人間として尊重したいという思いがあるんです。大人が思うよりずっといろんなことを考えて、気も使っているんですよ。

子どもながらに。

土山:

価値観だってきちんとある。接していくなかで始めたことのひとつが、開館当初はなかった駄菓子コーナーです。

私設図書館もん

これにはなにか目的が?

土山:

大人がお店で「何か買わないと気まずい」と思うのと同じように、子どもだって「タダでここにいていいんだろうか」と気を使っていると感じたことがあったんです。お小遣いで10円の駄菓子を買うことで、そんな後ろめたさから解放されるかもしれないと思い。

効果は…?

土山:

抜群でした!また先日は店内にいた大人が「おじさんが買ってあげるから、みんな好きなの選びな!」と世代を超えた交流も生まれていて、うれしかったですね。

家族や学校以外で大人と子どもが交流する場って、現代では少ないですもんね。

土山:

物騒なことも多い世の中ですから、子どもたちに防犯対策を教えるのは大切です。でもそれ以上に、地域の大人たちと小学生、しいては中高校生たちが交流することは、安心して暮らすためにすごく意味のあることだと思っています。

そのきっかけを生んでいるのが「私設図書館もん」!

土山:

当然僕も見守っていますし、安心して年齢問わずコミュニティの始まりの場所として、さらに第三の居場所となっていけたらうれしいです。

私設図書館もん

「本」の役割についてはどうお考えですか。

土山:

人や地域の“つながり”をつくったり、第三の居場所になるきっかけだったりする媒体として活躍してくれています。借りたら返しにくる。そのときにまた別の本や人との出会いがあるといったように。

ビジネスツールではないんですね。

土山:

今改めて気付きましたが、私自身「本で儲けてやろう」という気はなく、そのスキルもないです(笑)。

私設図書館もん

借りられる冊数も期限も無制限とは、ちょっと不安になってしまうような…?

土山:

期限を決めてしまうと「本当はあれも読みたいけど、期限内に読めないかもしれないからあきらめよう」という人がいるかもしれない。そうすると「第三の居場所としてのびのび過ごしてもらう」というポリシーに反するなと思って。

やさしすぎる…

土山:

遠方から来てくださる方や、いろいろな事情ですぐ来店できる人たちばかりでもないですから。

「第三の居場所がほしい」と意識したことがない人もいる気がしますが、やはりあった方がいい?

土山:

第三の居場所じゃないと出会えない人、もの、ことと出会うことで、人生の可能性は大きく広がります。これは断言してもいい。

経験に加えて、もんでもいろんな光景を見られてきたんですね。

土山:

仕事や学校、顔なじみの友人たちだけでは知らなかった世界や価値観に触れる機会は、ルーティーン化した日常では、なかなか作りだせません。「立場によってはそういう考えもあるのか」「今の小学生って、話してみるとイメージと違うなあ」など、世の中は知らないことだらけです。

土山昂也さん

普段の生活ルーティーンでは関わらない人たちとの出会い、そして発見。自宅とも会社・学校とも違う、自分の第三の居場所だからこそできるくつろぎがある。第三の居場所は、年齢関係なく慌ただしく過ごしてしまいがちな現代社会に生きる私たちみんなに必要な場なのかもしれません。

(文:矢野裕子)

私設図書館 もん
住所愛知県名古屋市名東区延珠町211
営業時間9:00頃~19:00(金・土曜は20:00まで、ラストオーダーは閉店30分前)
定休日不定休
アクセス地下鉄「本郷駅」「一社駅」より市バスで「延珠橋」停下車すぐ
問い合わせTEL 080-4301-0172

https://library-mon.jimdosite.com/

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