
愛知県ではまだ数の少ないワイナリー。名古屋市西区円頓寺で都市型のアーバンワイナリーを立ち上げようという話が持ち上がったときに白羽の矢が立ったのが、常滑市で農園・ワイナリーを併設したレストラン「常滑ワイナリー・ネイバーフッド」を運営するヴェレソン代表の馬場憲之さんでした。
名古屋市緑区の自社ぶどう畑で初めて収穫されたぶどうを醸造した「名古屋ワイン」が2025年3月16日にお披露目され、「名古屋ワイナリーWINAR」が本格始動。立ち上げからオープンに至るまでの話を馬場憲之さんに伺いました。
馬場憲之さん
アメリカのオレゴンで目にした「きれいな景色の中で、ワインとともに楽しい時間を過ごす場」をつくりたいと思い、ぶどうの苗木を仕入れて自社畑で育て、6年のときを経て、2018年12月に愛知県常滑市で農園やワイナリーを併設したレストラン「常滑ワイナリー・ネイバーフッド」をオープン。2022年3月に名古屋市緑区の自社ぶどう畑で定植をおこない、2024年8月に初めての収穫を迎えたぶどうを使い、「名古屋ワイン」を醸造。

名古屋ワインですが、地名を冠するには規定があるようですね
馬場さん(以下、敬称略):ワインに「名古屋」という地名を冠するには、その土地で栽培したぶどうを85%以上使用し、さらにその地域で醸造しないといけません。
なるほど!名古屋市緑区のぶどう畑で収穫し、西区円頓寺のワイナリーで醸造したことで「名古屋ワイン」となっているのですね。いつ頃から準備をされたのですか?
馬場:2018年後半頃です。ワイン用のぶどうは注文してから手に入るのが2年後、実がなるのがその3年後。5年はかかるんです。でも、空気や水など、その土地の自然が丸ごと味わいになるのがワインの魅力。苗木から育て、こまめに足を運んで目をかけて、2024年8月に初収穫したぶどうを醸造したのが「名古屋ワイン」。2025年3月に完成しました。


初ヴィンテージにはどんな種類があるのですか?
馬場:「名古屋アルパリーニョ(白)」「名古屋MBA(赤)」「名古屋シラー(赤)」の3種類です。アルパリーニョはスペインを原産地としたぶどうで、別名「海のワイン」と呼ばれます。高温多湿で海の近いスペインと名古屋は似ているので、土地の相性も良いです。洋梨や桃を彷彿とさせる、フルーティで豊かな風味のワインです。MBAは、日本原産品種として登録されたぶどうを醸造。イチゴのような香り、まろやかな渋みが特徴で、軽やかでハッピーな味わいです。シラーは、本来は2025年夏に収穫ですが、トライアルに少量収穫して醸造。シラーは樹勢が比較的強く、適切な管理が必要ですが、高温には強く、日照時間も必要なため名古屋での栽培は向いていると考えています。まずは、今年の味わいを試してみてほしいと思っています。


2階のビストロ「commone(コモン)」で名古屋ワインが味わえるのですね!
馬場:commoneは「醸造家のテストキッチンアトリエ」がコンセプトなんです。醸造家が、うちのワインにどの料理が合うかなというのを夜な夜なやっていて、そこにお客さんも来ませんか?という。円頓寺にひっそり佇むイメージで、インテリアにもわざと昔のものをそのまま残したりして、レトロな雰囲気にしています。


田舎にあり、美しいサンセットが望める常滑ワイナリーに対して、こちらのアーバンワイナリーにはどんな魅力がありますか?
馬場:人口が多い街でやっていくということは、アンテナを高く張っている人が多いということなので、いろんなことにイノベーティブで否定的でない。いろんなことにトライできる、新しい形のワイナリーというのが僕のアーバンワイナリーのイメージです。常滑と名古屋は近いので、地域性はそこまで変わらないんですが、都市にあるということに意味があると思っています。
4月には屋上にルーフトップバーがオープンするそうですね
馬場:この辺りは高いビルが建たないエリアなので、名古屋駅のビル群まで見渡せて、夜はとても気持ちがいいです。みんなが気軽に楽しくワインを飲めるシーンをつくっていきたいです。

今後の展望はありますか?
馬場:名古屋ワインが名古屋でスタンダードになっていくことを願っています。アーバンワイナリーの1番の悩みは、都会なので農地が少ないこと。それを探していく作業が大変です。たとえ小さな場所でもぶどうを栽培することはできるので、公園の一部とか、ビルの屋上とか、都市ならではの可能性を探っていきたいですね。

住所 | 愛知県名古屋市西区那古野1-2-12 |
営業時間(commone) | 17:00~23:00(料理LO22:00、ドリンクLO22:30)、木曜定休 ルーフトップバーは4月6日よりスタート |
駐車場 | なし |
アクセス | 地下鉄「国際センター」駅・「丸の内」駅より徒歩7分 |
TEL | 052-433-8341 |