1つとして同じものはない、「金魚真珠」を使った伊勢志摩のサスティナブルなジュエリー【百花(ひゃっか)】前編

SEVEN THREE.(セブンスリー)

海の宝石、真珠。パッと思い浮かぶのは、丸くて白く輝く姿ではないでしょうか?ところが真珠は貝の中でできあがる自然の産物。もちろん、ちょっといびつな形や真っ白でないものが生まれることも少なくありません。

そんな「自然のままの美しさを届けたい」との思いで、伊勢志摩のパールジュエリーブランド「SEVEN THREE.(セブンスリー)」が手がけたのが、これまで規格外とされていた真珠を使った「百花(ひゃっか)」シリーズです。真円ではない“しっぽ”付きの「金魚真珠」など、通常そのままでは流通しない真珠を使ったサスティナブルかつ唯一無二のジュエリーをご紹介します。

もくじ

一点もののパールジュエリー「百花」

パールジュエリー「百花」

6月の誕生石にもなるほど日本人にとって馴染み深い宝石の1つである真珠。とくに東海エリアでは、伊勢志摩が養殖真珠の産地として知られています。

そんな伊勢志摩の養殖真珠を使ったジュエリーである百花シリーズの特徴は、真珠の個性的な見た目です。

百花シリーズ

↑イエロー、ブルー、グレー、グラデーションカラーも。サイズも形もさまざま。

一見すると着色や加工をしているのかと思うほどきれいな色合いと味のある形ですが、実は逆!これらは自然にできあがった真珠のありのままの姿。そのため、1つとして同じものはない特別なジュエリーなのです。

ネックレスやリング、イヤリング、ピアス、ラベルピンをラインナップ

↑ネックレスやリング、イヤリング、ピアス、ラベルピンをラインナップ。

「長く愛用してほしい」という思いと“本物の美しさ”を同時に叶えるため、チェーンなどのパーツには錆びにくく金属アレルギーも起こりにくいというK18を使用。普段のスタイルに合わせて日常的に着けてもらいやすいよう、華奢でシンプルなデザインに仕上げています。

専用ジュエリーボックス

↑真珠のメンテナンスグッズも入った専用ジュエリーボックスはピンク、イエロー、ブルーからセレクトできます。

コロナ禍によってマスクで見えずらい耳元よりも、オンライン会議などで、首元を華やかにしてくれるネックレスがよく売れるように。中でも、あまり存在を知られていなかったブルーの真珠と、百花を代表する特徴的な金魚真珠が人気です。

「金魚真珠」として命を吹き込む

金魚真珠
金魚真珠

画像提供:サンブンノナナ

日本でつくられる養殖真珠は、アコヤガイという貝の中に貝殻を丸く加工した核を入れ、貝がその核に真珠層という膜を何層にも重ねることでできあがります。アコヤガイを育て上げるところから約3〜4年もの年月と手間暇をかけてつくられますが、すべてがうまく生産されるわけではありません。

途中で貝が核を吐き出してしまったり、貝自体が死んでしまったり…。2年前からは、地球温暖化や異常気象などの影響により海の環境バランスが崩れ、貝の大量死が発生しています。

セブンスリーを手がける「サンブンノナナ」代表の尾崎ななみさん

↑セブンスリーを手がける「サンブンノナナ」代表の尾崎ななみさん。

尾崎さんは、お祖父さまが伊勢志摩の真珠養殖職人。そのため、幼いころから養殖真珠の作業を間近で見てきました。「夏は暑く、冬は寒い海の上での作業はとても大変です。海の中に貝を入れておけば完成すると想像される事もありますが、実際には常に貝や海の状態を見ながら、一年を通して作業をしています」。

真珠

真珠は「白く真円」が一番良いと思っている方が多いので、調色加工をして真珠の色を白く統一し、販売されている事がほとんど。形は1つひとつ見た目が違うと商品化して取り扱うのも難しいために使ってもらえず、生産者にとっては購入してもらえない真珠の扱いになってしまいます。

「自然にできた個性豊かな美しさを届けられる機会が少ないのはもったいない。他で流通ができないのであれば、手間はかかっても自分の手で展開の可能性を広げたい。規格外扱いにされていた品にも『価値』があると評価をして、他とは違う見せ方で販売を始めました」と尾崎さんは語ります。

金魚真珠

↑まさに優雅に泳ぐ金魚の尾びれのような「金魚真珠」。

形成段階で真珠層がずれて“しっぽ”がついた真珠を「金魚真珠」と命名して商標登録。これまでも異形の真珠は存在していましたが、名前を付けることで特別な存在感を与えて新たな命を吹き込んだのです。

「養殖真珠は自然環境に左右される厳しさや技術力も必要となるため、後継者不足に悩む業界の1つ。誰でもすぐにできるものではないからこそ、生産者さんたちのお仕事を尊敬し、今頑張っている方々の力になりたいと考えています」。

金魚真珠といっても、色も形も輝きもすべて異なる1点もの

↑ひとえに金魚真珠といっても、色も形も輝きもすべて異なる1点ものばかり!

後編では、美しい真珠ジュエリーの背景にある真珠業界の今と、なんと85歳で現役という尾崎さんのお祖父さまのこと、さらにジュエリーだけにとどまらない真珠の輝きを届ける新しい商品展開についてもお話を伺います。

(写真:岩瀬有奈 文:佐藤奈央)

SEVEN THREE.(セブンスリー)

https://seventhree.jp/

※百花はオンラインショップから購入できます。

https://seventhree.shop/

Instagram:@seventhree.pearl

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