いつも使っている枕の上に重ねて使うことで、寝る前の“寝ながら読書”が快適になる「読書枕 HONTO(ホント)」。前編では開発のきっかけや、横向きの寝姿勢を考えた商品の形状やクッション、生地の秘密について紹介しました。後編では、読書枕という新たなジャンルだからこその苦労したという売り方の試行錯誤や、ジスクリエーションが手がけるそのほかのアイデア商品に注目します。
売り場として書店にアプローチ
読書枕という存在をどう世の中に広めていくか…という点に苦労したと語ってくれたのは、生みの親である名古屋市中区のクッション&ピローメーカー・ジスクリエーション代表取締役の中濵淳さん。
「寝具売場の枕コーナーに置いてあっても誰も見向きもしないだろうし、インテリアショップのクッションコーナーもちょっと違う。やはり本と親和性の高い場所に…」そんな思いから、ネットショップを中心に、書店内の物販コーナーに置いてもらうことに。本と一緒に売れるようになり、取り扱い書店が増えていったそう。
↑HONTOの「H」を模したデザインをはじめ、柄は6種のラインナップ。
イベントやSNSも積極的に
そのほか、読書を楽しむことに特化した旅館に貸し出したり、書店で夜に店内を開放して一晩泊まれるイベントが開催された際に貸し出したり。今までいくつかの自社製品を発売してきたジスクリエーションにとっても新たな売り先をスタッフで開拓していったのだそう。SNSもそのひとつ。インスタグラムでは読書に関する情報を発信し、本好きにアプローチしています。
↑読書枕HONTO(ホント)公式インスタグラム:@honto_jzyss
商品を買ってくれた人からは、「これで積読(つんどく)が解消できる」という声も。もともと大手寝具メーカーの製品製造を行っているジスクリエーションですが、自社商品をつくるようになったのは「デザイン、機能、品質をはじめ、パッケージまで一貫してコンセプトが伝わるもの、消費者に喜んでもらえるものにこだわりたい」という思いから。商品の企画段階から始まり、完成後の販売ルートや売り方まで、細部にわたって力が注がれています。
↑パッケージもおしゃれでプレゼントにもピッタリ!
↑2021年10月には「読書枕HONTO POP コットンスムース」も発売。上質なTシャツに使用される厚手のコットンスムース生地にモダンな柄をプリント。読書枕HONTO(ホント)より価格はリーズナブル。
そのほかにもアイデア商品は満載!
事務職の女性がパソコン作業の際に、ひじがデスクの角に当たって痛いからとタオルを巻いていた姿を目にしたのが開発のきっかけになったという、ひじうでサポートクッション。さらなる使いやすさを求め、普段からひじうでサポートクッションを愛用しているユーザーにヒアリング。現在リニューアルに向けて開発を進めているそうです。
↑パソコン作業がラクになる「ひじうでサポートクッション」。※現在は販売しておりません
また、2020年に発売して予定販売数が1週間で完売したというヒット商品が、車中泊を寒さから守ってくれる「魔法瓶ブランケット LUGH(ルー)」。今年は新たなカラーが追加され、昨年の3倍の売れ行きだそう。
「眠り」に注目が高まっている今、骨格のスペシャリストを養成する大学の教授や睡眠の研究者など、さまざまな専門家と新たな商品の開発も進めているそうです。
私たちの「こんなの欲しかった!」をカタチにしてくれるジスクリエーション。今後もどんなアイデア商品が登場するのか楽しみです。
前編記事はこちら
(写真:水野由佳 文:広瀬良子)
※読書枕HONTO(ホント)はジスクリエーションのオンラインショップで購入できます。
https://www.jzyss-shop.com/?pid=156088032
読書枕HONTO(ホント)インスタグラムでは「読書枕がある夜 おすすめの徹夜本」をはじめ、寝ながら読書を楽しめるような情報を発信。
Instagram:@honto_jzyss