「100年先も、のりをつなげていくために」。
そんなコンセプトを持つ「のりもも」は、のりの楽しみ方を広げたり、流通の仕組みを考えたり、生産者を守るために生まれたブランド。三重県桑名市で海産物の仕入れ・販売を行う株式会社福井を親会社とする、株式会社百福で産声をあげました。その生みの親となったのは、社長の福井慶則さん。「日本ののりが食べられなくなるかもしれない」という危機的状況にあること、その状況を打破したいとの想いから、のりももは生まれたそうです。
ギフトから日常使いまで豊富な品揃え
↑「のり=和風」という既成概念を打ち壊すような、カラフルでポップなパッケージ。
のりももには、選びに選んだ特別なのり「スペシャリティ」、普段使いしやすい焼きのり「ベーシック」、バラエティ豊かな味付けが楽しい「カジュアル」の3つの商品カテゴリがあります。
スペシャリティはその名の通り、のりの目利き職人が選んだ「本当においしいのり」。しかしそもそも、「本当においしいのり」とはどんなのりなのでしょうか。
↑「おいしいのりを一度食べたら、そこが基準になって、次からレベル感を下げられない」と話す、企画担当の松本さん。
「本当においしいのりと聞いて、味のイメージが湧く人は少ないと思います。でも一度食べたら元には戻れないくらい、味は全然違うんです」と松本さん。のりは水産物のため、漁場やその年の気候などによって味にバラツキがあります。そのため、年によって品質の高いのりができる産地が変わり「○○産だから常においしい』というわけではないのです。つまり、素人がおいしいのりを見分けるのははっきり言って不可能。スペシャリティはプロによる太鼓判つきののりというわけです。
↑パッケージに惹かれて手に取るお客さんも多いという「ベーシック」。最も需要があるのはおにぎり用だそう。
ベーシックには太巻用、おにぎり用、手巻用、刻みのりなど、用途に合わせた商品が揃います。大きさの違いだけではなく、のりの柔らかさや香りの強さなどが用途に合うよう考えつくされているそう。パッケージデザインも可愛らしく、思わず手に取りたくなる商品です。
↑「カジュアル」には味付のりをフレーク状にした「のりふりふり」なるユニークな商品も。
カジュアルにラインナップされているのは、いわゆる味付のり。一般的に出回っている甘辛しょうゆ味ではなく、「醤油バター」「梅しそ」「にんにく胡椒」など目新しいフレーバーが揃っています。
「実は『カジュアル』が一番頭を悩ませました。一般的な味付のりの甘辛味が完成され過ぎていて、あの味を超えるのりを生み出すのが本当に難しくて…」と松本さんは振り返ります。
「のりのおいしさ」に気づいてほしい
↑焼きのり工場では出来上がったのりを束にして包装し、出荷します。
海が身近な日本人なら馴染み深い食材ですが、毎日必ずのりを食べるという人や、「絶対にここののりじゃないと!」というようなこだわりを持っている人は少ないのではないでしょうか。
そんな状況を打破したいという想いが、のりもも誕生のきっかけとなりました。
↑三重県では桑名から鳥羽にかけての湾岸で、のりの養殖がおこなわれています。
問屋として、食品メーカーからのオーダーに合わせてのりの仕入れや販売を行ってきた福井ですが、一方で「本当においしいのりを、消費者に直接届けたい」という想いもあったといいます。
そこで、三重県多気町の商業リゾート「VISON」に直営店を設け、のりももを販売することに。
↑VISON「旨味広場」の中央にある、のりもも初の実店舗。のりももの全ラインナップが揃います。
お店ではオシャレなパッケージデザインから興味を持つ人も多く、試食してそのおいしさに気づいてもらえることもあるそうです。「今後はもっといろんなところで食べてもらって、広めていきたい」と松本さんは話します。
↑夜明けと同時に出漁し、のりの養殖場で収穫します。
「生産者が適正な価格でのりを取引することが出来るのはもちろんですが、お店で生産者が直接消費者の声を聞けるというような取り組みも、今後していきたいですね。そこでのりの生産現場についても興味を持ってもらえれば…」と松本さん。「消費者の意識を変え、流通の仕組みを変え、生産者を残す」という、のりももの未来が楽しみです。
(写真:山本章貴 文:河合春奈)
住所 | 三重県桑名市安永1560-1 |
問い合わせ | TEL 0594-82-7117 |
住所 | 三重県多気郡多気町ヴィソン672-1 旨味12 |
営業時間 | 平日9:30~18:30、土日祝9:30~19:00 |
問い合わせ | TEL 0598-67-9129 |
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