
愛知県南部にあり、名古屋から南へ突き出した知多半島の温暖な気候で育ったレモンとみかんをブレンドしたクラフトコーラ「知多コーラ」。生みの親となる磯村優太さんは、会社員として働きながら、コロナ禍の2021年から試作を始め、2022年3月に商品化。
仕事とクラフトコーラを両立する背景には、地元の良いものを広めたいという想いがありました。

クラフトコーラとは
そもそもクラフトコーラとは、砂糖類や柑橘類、スパイス類を煮詰めたもの。自然由来の素材を使う作り手が多く、地元の特産品などが使われる場合が多いようです。そのため、メーカーによって味わいが全く異なるのが特徴でもあり、魅力でもあります。
知多コーラは知多半島産のレモンとみかん、それに合うスパイスを9種類、そして黒糖とキビ糖を配合。子どもから大人まで幅広い世代が飲みやすいよう、スパイス感が強すぎず、柑橘の爽やかな味わいに仕上げています。

コロナ禍に試作したことがきっかけに
磯村さんがクラフトコーラを作り始めたのは、コロナ禍で時間ができた頃。もともとコーラが好きだったことから、ネットでクラフトコーラを購入したのがきっかけに。その時、初めて飲んだクラフトコーラのおいしさに感動したという磯村さん。商品ラベルを見てみると、自然由来の素材ばかりであったことから、スーパーで材料を買い、家のキッチンで作ってみたのだそうです。
過去に食品メーカーでスープや出汁の開発に携わっていた磯村さん。持ち前の研究熱心な性格もあいまって、おいしさを求めて試作を重ね、SNSに投稿していたところ、クラフトコーラメーカーから応援のメールが届いたのだとか。
「その方が知多半島に住んでいたことがあったようで、応援してくださり、より一層試作に傾倒していきました」と磯村さんは話します。

そんな中、知多半島でレモンやみかんの栽培をしていることを知ったことで、商品化への想いが大きく動き出します。
「地元のレモンを使ってみたいと思い、レモン農家さんに足を運び、4種類のレモンを食べ比べたときに、味の違いやおいしさに感動したんです。自分は地元のことを全然知らなかったんだと気づき、クラフトコーラを商品化して、地元の良いものを多くの人に伝えたいと思いました」と磯村さんは当時の想いを振り返ります。

商品の製造は、クラフトコーラのイベントで知り合ったメーカーに委託。それまでの試作とは異なり、何十倍もの量を一気に作るため、試作の味を再現することに苦労したそうです。スパイスの配合や入れる順番を変えたり、果汁とのバランスを調整したりと試行錯誤の日々。
「商品化に向けては70回ほど試作を重ねましたが、楽しいという気持ちが一番大きかったですね」と語る磯村さん。「味が決まったら、次はラベルをどうするか、デザインを考えるのも楽しかった」と笑顔を見せます。

商品のデザインは鯨がモチーフに。その昔、知多半島にも生息していたといわれる鯨。鯨はかつて陸の生き物だったそうだが、時代や環境の変化に伴い、海で生きるようになったという面白いエピソードがあるそう。
陸から大海原へと大きく変化したエピソードのように、「チャレンジ精神を忘れずに、クラフトコーラを通じてさまざまなことにチャレンジしていきたい」という想いも込められています。

まずはグラスに知多コーラを注ぎ……

炭酸を加えます。

混ぜたら完成!
柑橘以外の商品や、クッピーラムネコラボも
「地元の良いものを発信したい」そんな磯村さんの想いはぶれず、その後、「知多コーラ-ぶどう-」、「知多コーラ-カカオと豆みそ-」など、柑橘以外の商品化にも着手。

「巨峰を味わう爽やかなクラフトコーラ」をコンセプトに開発された「知多コーラ-ぶどう-」。知多半島・大府市の名産「巨峰」による、芳醇な香りが広がります。大府市の「山銀ぶどう園」の巨峰を使用。

「お肉料理などとのペアリングの相性抜群のクラフトコーラ」をコンセプトに開発された「知多コーラ-カカオと豆みそ-」。
磯村さんが生まれ育った知多半島武豊町の味噌に出会ったことが商品化のきっかけに。フレンチレストラン「PHYEON」オーナーシェフ山内賢一郎さんにアドバイスをもらいながら、カカオとの融合に挑んだそうです。武豊町の「南蔵商店」の豆味噌を使用しています。

ユニークなのが、愛知県を代表するお菓子のひとつである「クッピーラムネ」とのコラボ商品。「懐かしさを感じるラムネ味」をコンセプトに、クッピーラムネの風味をレモンとみかんで再現しています。
念願のストレートタイプも販売
さらには、2026年3月、念願だったストレートタイプの知多コーラ(200mL)を発売。柑橘の爽快感はそのままに、スパイスの配合を見直し、より深みとキレのある味わいへと進化しました。

磯村さんは「製造ロットが増えるという大きなハードルがありましたが、より手軽に、手頃な価格で楽しんでいただきたかったので、商品化に踏み切りました」と思いを明かします。
自身も知多コーラを通して、地元の良いものを知り、知多半島愛が深まっていった1人である磯村さん。「今後も知多コーラをきっかけに、多くの人に知多半島の魅力を発信していきたい」と語りました。
(撮影:西澤智子)























