柔らかい灯りにのせて思いを届ける、新しい提灯 【レター提灯】前編

product_12_1
 
提灯+手紙!? 新たな発想が伝統工芸の未来を切り拓く
 
お祭りなどで見かける「提灯」は、日本の風情を感じさせる工芸品のひとつ。和紙の中で浮かび上がるあたたかみのある灯りはどこかはかなげで、ゆったりと流れる時間を演出しています。でも、生活の中でなかなか触れる機会がないのも事実。現代社会において「灯り」とは周囲を明るく照らす存在であり、利便性に優れた“ライト”が広く普及しています。「もっと多くの人に提灯に触れて、良さを感じてほしい」。そんな提灯職人の思いが形となったのが、「レター提灯」! 岐阜提灯協同組合が地元デザイナーとともに開発しました。
 

product_12_2
「レター提灯」のセット。メッセージが書ける紙も添付されていますが、提灯に直接イラストやメッセージを書き込んでもOK。さまざまなメッセージの届け方ができます!

 
デスクにも置けそうな、小さくてコロンとした丸い形が、かわいらしい佇まいですね。真っ白な無地のタイプと絵入りタイプとがあり、大きな特徴が提灯自体にメッセージや絵柄を書き込むことができること! たたむと薄い板状になるので付属の封筒にすっぽり。140円切手を貼って郵便物として送れちゃいます。まさに、「レター」+「提灯」。こんな斬新な手紙が送られてきたら、びっくりすること間違いなし! 自分で提灯を組み立てる楽しさを味わえるのも、魅力のひとつですね。
 

product_12_3
水性ペンや絵の具をつかい自由に書き込めます! 世界にひとつだけのオリジナル提灯を大切な人に送れますよ。

 
人と提灯の距離をちぢめる。伝統を次世代に伝えるための挑戦
 
300年以上の歴史を誇る岐阜市の提灯づくり。暮らしの灯りという日用品としてだけでなく、美しき伝統工芸品として発展を遂げてきた伝統産業は、「岐阜提灯」の名で国の伝統工芸品に指定されています。そんな格式ある産業が、「レター提灯」をつくることになったきっかけとは?
岐阜提灯協同組合の理事長で、レター提灯の製造を行う株式会社オゼキ代表取締役社長の尾関守弘さんは開口一番、「若い人達に岐阜提灯の良さを知ってほしいからです」と答えてくれました。「お盆提灯として日本の夏を彩ってきた岐阜提灯ですが、若い世代が目にする機会は年々減ってきています。まずは気軽に提灯にふれてみてほしい。そのきっかけを担う存在として『レター提灯』を開発しました」。
 

product_12_4
柔和な表情で「レター提灯」への思いを語る尾関さん。

 
“伝統産業を継続していくためには、若い世代にも提灯に親しんでもらわなければならない”。そんな現代のつくり手たちの使命感は、岐阜提灯を通じて新しいモノやコトを生み出すプロジェクト「GIFU LANTERN PROJECT」の設立につながり、その取り組みのなかで「レター提灯」が地元デザイナーから提案されました。「“新しい提灯の使い方”をテーマに、多くのデザイナーさんより提案があったなか、則竹由香さんの『手紙』という付加価値をつけた案にひときわ惹かれました。メールやSNSなど簡単なデジタルコミュニケーションが一般化している現代の若者だからこそ、アナログだけれども送る側のぬくもりが伝わる手紙というツールは新鮮に感じてもらえる。そう確信しました」。
 

product_12_5
岐阜らしい鵜飼や鮎のほか、三重塔や招き猫など和のデザイン柄も展開しています。

 
送る人も受け取る人も嬉しい気持ちに。幸せの灯りをこれからも広めていきたい
 
手紙から伝わる「ぬくもり」と、提灯のやさしい光が放つ「あたたかみ」は、長年培われてきた岐阜提灯の技術によりひとつの形となり、日本そして世界に提灯の新たな可能性を広めています。現在は、主に岐阜市内の雑貨を扱うセレクトショップで販売され、旅行客からも人気を集めているとのこと。「旅の思い出にお土産として買っていく方や旅行先から親しい人へ送る手紙としてもお使いいただけています。送る人も楽しいですし、もらった人も『えっ?』と驚く。そんな日常のちょっとした幸せをつくりだす、あたたかみのあるツールとして活用してほしいです」。
 

product_12_6
2016年からは四季に応じたデザイン開発にも注力。季節の便りとして送りたくなる素朴な味わいですね!

 
「レター提灯」には、つくり手からのもうひとつの期待が寄せられています。それは現代社会に「癒し」をもたらす役割。「和紙から透ける提灯の灯りは暮らしを優しく包み込み、人々の心を癒してくれます。多忙な毎日を送りがちな現代社会にこそ、提灯は必要とされるのかもしれません。まずは『レター提灯』を通じて、若い世代にも日本伝統の『灯り』を気軽に暮らしに取り入れてほしい」と尾関さんは「レター提灯」に込めた願いを語りました。
 

product_12_7
「レター提灯」は岐阜提灯の未来にも明るい光を灯しています。

 
長い歴史の中で培われてきた技術を生かしてつくられる「レター提灯」。その小さなフォルムには、つくり手の期待と愛情が詰まっていました。後編では、株式会社オゼキさんの工房にお伺いして「レター提灯」の制作工程を紹介します。「レター提灯」をつくり上げる職人さんの繊細な技を、ぜひお楽しみに!
 

product_12_8
尾関さんにとって、「レター提灯」は我が子のように愛おしい存在なんですね。

 
後編はこちら
 

New Report

2026-08-22

TOPICS

歴史・戦国ファン必見「名古屋には秀吉がおるでよ!」9/5(土)~11/1(日)

天下人・豊臣秀吉の生涯と尾張との結びつきを辿る特別展「名古屋には秀吉がおるでよ!―秀吉と尾張の歴史―」が2026年9月5日(土)~11月1日(日)に名古屋市瑞穂区の名古屋市博物館で開催されま...
平成レトロ展,平成,名古屋,パルコ,2026

2026-08-20

TOPICS

懐かしくて新しい、平成へ「NEO 平成レトロ展」9/5(土)~10/4(日)

昨年夏に東京・渋谷で開催され、3万人以上を動員した話題のイベント「NEO平成レトロ展」が2026年9月5日(土)~10月4日(日)に名古屋パルコで開催。 デジカメ、たまごっち、ガラケー...
ミッフィー,展覧会,多治見,2026,ワークショップ

2026-08-15

TOPICS

毎年人気!夏の企画展「ミッフィーとこどものじかん」8/1(土)~11/23(月・祝)

ミッフィーの生みの親であり、オランダを代表する絵本作家でグラフィックデザイナーのディック・ブルーナは、生涯を通して多くの絵本を創作してきました。岐阜県多治見市のこども陶器博物館では、企画展「...

2026-08-11

HIROBAくんと行く

名古屋・栄の新たなシンボルタワー、ザ・ランドマーク名古屋栄にコンラッド名古屋が開業

2026年6月に商業施設「HAERA(ハエラ)」、映画館「TOHOシネマズ」がオープンしたザ・ランドマーク名古屋栄の10・11階、31階~40階に7月、コンラッド名古屋が開業。全170室の客室はすべ...

2026-08-06

HIROBAくんと行く

遊び方は無限大!屋内施設「カラダうごかす森 Harappa(はらっぱ)」があいち健康の森公園にオープン

愛知県大府市の大型公園「あいち健康の森公園」に2026年7月、「カラダうごかす森 Harappa(はらっぱ)」が誕生!暑い日も雨の日も、天候を気にせず楽しめる屋内施設です。木の遊具がふんだんに配置さ...

2026-08-04

HIROBAくんと行く

鳥羽湾クルーズでイルカ島へ!イルカのあそび時間や絶景を満喫する夏旅

「近場でも非日常感が味わえる体験をしたい」そんな夏休みのお出かけにぴったりなのが、鳥羽湾を巡るクルーズとイルカ島観光が楽しめる船旅です。 遊覧船に揺られながら鳥羽湾の美しい景色を眺め、...
妖怪,イベント,もののけ宝箱,岡崎,2026

2026-08-01

TOPICS

妖怪が大集結!「開け!もののけ宝箱」8/1(土)~10/12(月・祝)

妖怪の歴史と魅力いっぱいの展覧会「開け!もののけ宝箱 ~コワイもカワイイも⁉三次&岡崎から妖怪大集結!~」が2026月8月1日(土)~10月12日(月・祝)に岡崎城・三河武士の...

2026-07-31

TOPICS

愛岐トンネル群を特別公開「森のビアホール」8/1(土)~30(日)

登録有形文化財の愛岐トンネル群でビールやグルメを楽しめる「森のビアホール」が2026年8月1日(土)~30日(日)に開催。春・秋の特別公開を除き、トンネル内に入れる唯一の機会です。 入...

2026-07-29

東海ムーブメント仕掛け人

街角演奏で人や街とつながり、名古屋の魅力を伝える【名古屋の人間観光地・サックス侍】

浪人笠をかぶり、名古屋市内の街角に現れてサックスを吹く「サックス侍」。その活動がSNSやテレビで話題を呼び、「サックス侍に会いたい」「あの音をまた聴きたい」と名古屋を訪れる人が増えているとか...

2026-07-28

しょく育

冷たい飲み物を注ぐと色が変わる!多治見市の「壱LABO」でサンドブラスト体験

17℃以下の飲み物を注ぐと、グラスの中で鮮やかな花火が打ち上がる。 そんな夏にぴったりの仕掛けが施された「冷感グラス」を知っていますか? 多治見市の老舗食器製造販売「丸モ高木陶器」が手...
安城七夕まつり,七夕まつり,安城,2026,愛知

2026-07-25

TOPICS

“願いごと、日本一。”の七夕まつり「安城七夕まつり」8/7(金)~9(日)

竹飾りのストリートが日本一長いことで知られる「安城七夕まつり」が、2026年8月7日(金)~9日(日)にJR安城駅周辺市街地一帯で開催されます。 安城市民だけでなく周辺地域からも多くの...
pagetop
もくじ