町工場が生んだ世界に誇れる鋳物ホーロー鍋【バーミキュラ】後編

前編はこちら
 
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究極の無水調理を可能にし、素材本来の味を引き出すと人気の鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」。前編でもお伝えしたように、バーミキュラは名古屋市中川区にある町工場で生まれました。後編では、製造現場に潜入。職人さんたちの高度な技術を、間近で見学させてもらいました!
 
神経を研ぎ澄まして行う作業の連続、緊張感のある製造現場
 
最初の鋳造工程では、1500℃に溶かした鉄に13種類の金属を配合し、型に流し込んでいきます。「この工程では、難しいポイントが2つあります。1つは13種類の金属の配合。ほんの数%違うだけで、全く違うものができ上がってしまう。ホーローがかかりやすく、800℃で焼いても歪みにくい強度の高い材質を作るため、0.01%単位での調整を繰り返しています」。
 

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大きな釜に13種類の金属を絶妙な配合で調整。材質の強度を保つため、何の金属が何%入っているのか、何度も計測しながら作業を進めます。

 
もう1つは型に流し込むスピード。「簡単に言えば、“静かに早く”注がなくてはいけない。安定したスピードで、いつも同じ量を同じように流し込むことが重要。少し前に機械が導入されて自動化されたが、それまでは職人が手で注いでいました。タンクの中の残量によっても出方が変わってくるので、とても難しい作業です」。
 

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職人の複雑な手の動きを細かくプログラミングし見事に再現。少し前までこの作業を職人さんが手で行っていたとは、驚きです…!

 
繊細な調整を繰り返し、0.01mm以下の精度まで削り込む
 
冷却して型から取り出された鋳物は、職人により一つひとつ丁寧に磨き上げられます。磨き終えた鋳物の蓋と本体は、精密加工の工程へ。ここでは、蓋と本体の間を紙1枚すら通さないくらいにまで削る繊細な作業が行われます。「職人の経験と勘で、測定しては削るという作業を繰り返し、数値のズレが100分の1以下になるまで削っていきます。ここは、バーミキュラの最大の特長ともいえる高い密閉性を司っている大切な部分。手間はかかりますが、この工程により無水調理が可能になり、おいしい料理が完成するんです」。
 

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数値のズレが100分の1以下になるまで、慎重な作業が何度も繰り返されます。

 
釉薬を均一の膜厚で吹き付ける至難の技
 
ホーロー加工の工程では、職人の手による釉薬の吹きつけ、乾燥、調整、800℃での焼成の工程を3度繰り返し、厳密な検査の後、バーミキュラが完成します。「簡単そうにやっていますが、実はとても難しい技術。ちょっとした気温や湿度の変化、タンクの中の釉薬の量などで、釉薬の付き方が変わってくる。職人たちは都度目で確認しながら、均一な膜厚になるよう微妙な調整を繰り返しています」。すべての工程を見て感じたのは、神経を研ぎ澄まして行う作業ばかりだということ。「どの工程も手を抜けない。すべての工程の職人の思いが繋がり、やっと1つのバーミキュラが完成するんです!」と開発者で愛知ドビー株式会社の副社長を務める土方智晴さんは語ります。
 
人体や環境に配慮したものづくりがしたい
 
前編で紹介したバーミキュラの特長「密閉性の高さ」と「ダブルハンドル」。それ以外にもあと2つ特長が。その1つが、淡くやさしい色合い。「発色の良い色を出すためには、カドミウムという人体に有害な物質を使用しなくてはいけなくて。食を扱うものである以上、安心して料理をしてほしいし、食事をしてほしい。また同時に製造現場で働く職人の健康も守っていきたいという思いから、ホーローにカドミウムを使わないことにしました。そのため、バーミキュラは淡いピンクや水色、クリーム色などやさしい色合いのラインアップになっています」。
 

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色は全部で8色。キッチンに置いてあるだけでも画になる、おしゃれな色が揃います。

 
楽しんでもらうため、専用コンシェルジュがサポート
 
愛知ドビー株式会社では、バーミキュラを購入した後も楽しんでもらえるよう専用コンシェルジュが存在。「開発当初から、買ってもらうだけでなく、楽しんで使ってもらうまでをサポートしたいと考えていて。オーナーズデスクを設けて、バーミキュラを使ったレシピをSNSで紹介したり、お客様から問い合わせがあればどんな細かいことでも調べて対応しています」。“バーミキュラコンシェルジュ”の資格を取得するためには、会社規定の難しい試験をクリアしなくてはいけないのだとか。「社内でも資格を持っているのは数名。バーミキュラについての知識はもちろん、料理をレシピ通りに作れるかなど、細かい試験項目があります。資格所有者はバッジがもらえるんですよ!」。
 

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こちらがバーミキュラコンシェルジュのバッジ。購入後のきめ細やかなサポートも人気の理由なんですね。

 
諦めなかったのは、本当に達成したい目標があったから
 
もともと別の会社に勤めていた土方さん。技術を学び、数え切れない程の試作を繰り返すなど、ここにくるまでに、私たちの想像を超える苦労があったはず。では、何が土方さんをそこまで熱くさせたのか――。「職人の誇りと生き生きとした表情を取り戻したいという思いはもちろんありましたが、一番大きかったのは“町工場から世界に誇れるものを作りたい”という目標があったから。小さい頃、父親や工場長が『うちの製品は世界最高だ!』と言っていたのが、子どもなりに誇らしかったんでしょうね。自分が世界最高のものを作ってみせるという目標があったから、どんなに辛い状況になっても踏ん張ってこれたと思います」。
 

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開発中は、何度も心が折れそうになったという土方さん。土方さんの熱い思いと職人さんの高い技術が、世界に誇れる商品を生み出しました!

 
世界一“愛される”ブランドへ
 
今後について伺うと――。「バーミキュラがあることで、家庭に笑顔が増え、その笑顔をバーミキュラコンシェルジュがずっとサポートしていきたい。そうして世界一愛されるブランドを目指していきたいです」と土方さん。バーミキュラを使って、1人でも多くの人が料理を楽しんでもらえる日が来るといいですね!
 
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