雪の結晶のように美しい、釘を使わず木を組み付ける伝統技【組子コースター】後編

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前編はこちら
 
菰野富士の麓からほど近い、三重県三重郡菰野町にある指勘建具工芸の工場。この辺りは冬に雪がちらつくことも多く、取材当日もピリリと冷たい空気。さっそく、工場の中へ入らせていただきます。
 

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トタンの工場ですが、ドアが木製なのが建具屋さんならでは。オシャレです!

 
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入口すぐの場所には、長さ4mほどの木材がずらり。これを制作するサイズに合わせて切り出していきます。

 
大切なのは、パーツを0.01mm単位で揃えること
 
最も気を配るのは、1つひとつのパーツの厚みをきっちりと揃えること。「それが組子の仕事の大前提でもあり、難しい作業。厚みが少しでも違うと、組んでいくときにきつかったり緩かったりしてうまくいかないんです」とは指勘建具工芸三代目・黒田裕次さん。機械なら同じ厚みで切り出していくのも簡単なのでは?と思いきや、木の種類によって固かったり柔らかかかったりと性質がそれぞれで、気温や湿度によって木が波打ったりと、毎日同じようにはいかないそう。
 

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計測器を使い、0.01mm単位まできっちりと計ります。

 

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次は切り込みを入れる作業。こちらはお手製の定規。模様に合わせて、適した角度で切り込みを入れていきます。

 
このようにしてパーツが完成。模様が複雑になればなるほど、パーツの精巧さが重要となります。組んでいくにつれて、サイズや切り込みの角度が微妙に合わない!となると、もう一度パーツを作るところからやり直し。大変な労力です…。
 

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図面に合わせるとこんな感じ! 切るのは機械ですが、切り込みの角度や間隔を設定するのは手作業。素人の私からすると、気の遠くなるような作業です…!

 

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このように全体を組んでいき、さらに細かいパーツを入れていきます。

 

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細かい部分にはピンセットや糊を使うことも。

 
1本の太さにこだわり、美しさを追求する
 
組子のパーツ1本に対する厳しさは、黒田さんの祖父の代から培われてきたもの。それは、組むときのために厚みや角度を精巧にするということに加えて、仕上がりの美しさに関しても大切なこと。「建具の寸法って、家によって違うんですよね。なので、同じ太さの1本でも、建具のサイズによって微妙に太く見えたり、細く見えたりしてしまう。建具じゃなくても同じ。全体の大きさの中で、最も美しい線の太さを極めていくことこそ、組子の勝負どころなんです」。
 

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制作の行程について、丁寧に教えてくれた黒田さん。真面目で温かな人柄に溢れています。

 
温かみのある木の風合いに、美しい模様。見れば見るほどに魅了される組子。インテリアにこだわる人は、建具をアクセントに取り入れるととってもステキ! また、組子コースター(オーナメントにしてもおしゃれ!)は、和の意匠を気軽に自宅に取り入れるのにおすすめですよ。
 
 

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