「武道」の精神を宿す、強くてしなやかな、刺し子生地のバッグ 【sasicco(サシコ)】後編

前編はこちら
 
product_21_1
 
繊細な技術でバッグを仕上げる、うるわしき職人集団!
 
柔道着や剣道着の素材として用いられる「刺し子織り」の新たな可能性を切り拓いたバッグブランド「sasicco(サシコ)」。後編では、「sasicco」を手がけるタネイの工房を訪れます。工房の中には、ミシンがずらりと並びスタッフの方々が作業に励んでいます。タネイで活躍している縫製スタッフは全員女性。手際よく縫製を進めていくその姿は、まさに職人そのもの! 工房内は女性の華やかさが溢れる一方で、ピンと張り詰めた緊張感があります。
 

product_21_2
裁断から縫製まですべて手作業! 工房内には小気味のいいミシンの音が鳴り響きます。

 
「『sasicco』のバッグづくりに求められるのは繊細な技術。バッグの模様を歪まないように仕上げるため、生地の目と糸の縫い目を真っすぐにそろえて縫い込んでいく必要があります。その点、丁寧な作業を心がける女性スタッフに恵まれていることから、納得のいく製品がつくり出せていると感じています」と話すのはタネイ専務取締役の種井由美子さん。織り目がでこぼことしている刺し子織り生地。きれいに縫い込むのはたしかに一筋縄ではいかなさそうですが、縫製を終えたバッグには、真摯に生地と向き合うスタッフの眼差しのように、真っすぐな縫製の跡が刻まれていました!
 

product_21_3
ミリ単位のズレにも配慮し縫製する「sasicco」のバッグ。

 
あの国際舞台でも活躍! 多くの人々を魅了する、技術と情熱の結晶
 
非常に頑丈であることから、裁断・縫製するには高い技術が求められる刺し子生地。その特徴を熟知したうえで生みだされる「sasicco」のバッグは、クオリティの高さから、名古屋トヨペットや東京ヤクルトスワローズのオリジナルグッズに採用されるなど、企業や行政からも注目される存在に。なぜ10年近くにわたり、タネイは難易度の高い生地を用いた繊細なバッグ製造に挑み続けられるのか? その疑問を種井由美子さんに聞いてみると2つのキーワードが返ってきました。「当社の縫製スタッフに共通するのは“職人気質”と“楽しむ心”です。『sasicco』の知名度が上がってきたことにより、オリジナルバッグの製造依頼も増えていますが、なかには手間のかかる難しいデザインも。スタッフはどんな依頼にも職人としてのプライドをもって挑み、その度に新たなスキルを習得しています。また、業務の合間には余った生地を使って新たなバッグを開発。自発的にものづくりに取り組む彼女たちは、本当にバッグづくりが好きなんです」と種井由美子さんは目を細めます。
 

product_21_4
「sasicco」に込められた技術や思いを説明する種井由美子さん。

 
長年にわたる道着製造を通じて培ってきた「技術」と、スタッフのものづくりに対する熱い「思い」が織り込まれ発展しつづける「sasicco」は、いまや世界に誇る“メイドインジャパン製品”として認知され始めています。「昨年開催された伊勢志摩サミットでは、海外メディア向けイベントの記念品として『sasicco』のバッグが配布されました。愛知県の伝統工芸品である三河木綿を生かした製品として認められ、世界中に愛知県をPRすることに貢献できたことを誇りに思っています」と嬉しそうに話す代表取締役の種井美文さんの顔は、我が子の栄誉を喜ぶ父親のように見えました。
 

product_21_5
多彩な柄をもつ無垢な刺し子生地は、職人の技とセンスにより、洗練されたバッグへと姿を変えます。

 
人生を共に歩む、長く愛されつづける存在を目指して
 
「丈夫さが自慢の『sasicco』ですが、長年使い込んだことによる修理・メンテナンスの依頼もきています。修理費用は決して安い金額ではありませんが、それでも修理して使いつづけたいと思ってもらえることは、つくり手としてこれ以上ない喜び。これからは修理事業にも力を入れ、お客様と愛着あるバッグの末永い関係づくりのお手伝いができたらいいですね」と種井由美子さんは人々の暮らしに息づく「sasicco」の未来像を描きます。
ファッションとトレンドとは切り離せない関係。1つのものを長く使いつづけることは当たり前にできることではありません。そうしたなかで少しずつ広まっている、「sasicco」を長く使いつづけたいという人の輪。丈夫さとシンプルな美しさを兼ね備えた三河生まれのバッグは、使い手の愛着を受け止め尊重する心優しき職人のもと、暮らしに欠かせない逸品として愛されつづけることでしょう。
 

product_21_6
豊川の地から、こだわり・愛情のこもった「sasicco」をつくりつづけます!

 
前編はこちら
 

New Report

三浦太郎,展覧会,刈谷市美術館,絵本,イベント

2026-01-22

TOPICS

「三浦太郎展 絵本とタブロー」1/31(土)~3/22(日)

2004年にヨーロッパで絵本作家としてデビューし、日本国内でも『くっついた』『ちいさなおうさま』などを発表してきた三浦太郎さん。優れたデザイン感覚やアイデアあふれる展開で読者を魅了する絵本は...

2026-01-18

シーズントリップ

愛知・岐阜・三重のおすすめ!冬のフォトジェニックスポット2026

イルミネーションや雪景色など、冬を満喫する愛知・岐阜・三重のフォトジェニックスポットを紹介! 湧水広場の氷瀑/愛知県豊田市 昼も夜も美しい!自然が織りなす氷のアート 豊田市...

2026-01-05

しょく育

器に自然の風景を表現!名古屋市千種区「雑貨と植物の店Kitowa」で盆栽作り体験

近年、世界的なブームとなっている盆栽。少し渋めな趣味というイメージが強かった盆栽も、いまでは若い世代にとっても身近な存在に。とはいえ、「盆栽って何を楽しむもの?」「どんなところに魅力があるの...

2026-01-02

HIROBAくんと行く

たくさんの猫がお出迎え!春日井市「玉野御嶽神社」で自然と猫に癒される参拝を

愛知県春日井市に“猫神社”と呼ばれる神社があるのを知っていますか?呼び名の通り、たくさんの猫たちがお迎えしてくれる神社なのです。 山奥の自然に囲まれ、神聖な空気感と愛くるしい猫たちとの...

2025-12-30

東海ムーブメント仕掛け人

竹あかりイベントでまちや人をつなぐ“循環”を生み出す!燈和・廣濱修平さんの挑戦

竹にさまざまな形の穴を空け、その中に入れたろうそくやライトがやさしく光る竹あかり。無数の竹あかりが集まり、生み出される空間は幻想的で、日本の和を尊ぶ心が呼び起こされます。 そんな竹あか...

2025-12-20

TOPICS

名古屋の夜を彩る「天空のSTAR ILLUMINATION」12/1(月)~2/28(土)

名古屋市中区の中部電力MIRAI TOWERにて、冬季イルミネーション「NAKED 天空のSTAR ILLUMINATION」が2025年12月1日(月)~2026年2月28日(土)に開催。...
竹灯り,犬山, 善師野,ライトアップ,イベント,2025

2025-12-04

TOPICS

竹あかりのナイトウォーキング「INUYAMA YOI NO MICHI」12/5(金)~1/31(土)

犬山市で、竹のライトアップで幻想的な時間を楽しむイベント「INUYAMA YOI NO MICHI」が2025年12月5日(金)~2026年1月31日(水)に開催されます。 期間中は、...

2025-11-29

TOPICS

廃線路と紅葉の絶景「愛岐トンネル群 秋の特別公開」11/29(土)~12/7(日)

庄内川渓谷に沿って1900年の開通当時のまま残されている愛岐トンネル群。普段は立ち入り区域となっているこの場所が、春と秋に一般公開されています。 秋は紅葉スポットとしても人気!「愛岐ト...

2025-11-27

TOPICS

tupera tuperaとのコラボ「十二支飾り・午」12/10(水)~

愛知県瀬戸市で招き猫や干支置物などを手がける中外陶園から、クリエイティブ・ユニットtupera tupera(ツペラ ツペラ)とコラボレーションした「十二支飾り・午(うま)」が2025年12...

2025-11-22

FEATURE

【中山道太田宿さんぽ】江戸時代に栄えた宿場情緒を楽しみながらお気に入り店を巡る

江戸時代に京都と江戸を行き来するために内陸に整備された中山道。街道の数km(数里)ごとに設置された69の宿場のうち、51番目にあたるのが太田宿です。岐阜県美濃加茂市にあり、JR「美濃太田」駅...
竹灯り,東別院,ライトアップ,イベント,2025

2025-11-20

TOPICS

お寺が舞台の竹あかりイベント「YOI NO OTERA 2025」11/29(土)・30(日)

竹のライトアップで幻想的な時間を楽しむイベント「YOI NO OTERA 2025」が2025年11月29日(土)・30日(日) に名古屋市中区の東別院で開催されます。 竹林整備で切っ...
pagetop
もくじ