20世紀を代表する画家のひとり、ピート・モンドリアン。2022年の生誕150年を記念して豊田市美術館で開催される「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」では、オランダのデン・ハーグ美術館所蔵の作品を中心に54点を展示。垂直水平の線と、三原色、無彩色で描かれたモンドリアンの代名詞ともいえる「コンポジション」シリーズはもちろん、初期のハーグ派様式の風景画、神智学に傾倒した作品など、画風の変化を体感できる展示内容です。
モンドリアンの画風の軌跡を辿る
1872年にオランダ中部、アメルスフォルトで生まれたモンドリアン。今では抽象絵画の先駆者として知られますが、40代半ばから抽象的な作品を描くようになるまでは、自然主義的な風景画を描いていたそう。本展では、初期の風景画にはじまり、神智学やキュピズムに感銘を受け、画風を変化させながらコンポジションへと至った軌跡を体感でき、見ごたえ十分です。
↑ハーグ派の影響も受けたモンドリアン。ハーグ派とは写実主義に影響を受け、くすんだ色味を多用する、主にオランダの都市ハーグを拠点に活動していた画家たちのこと。
1917年に友人で建築家のテオ・ファン・ドゥースブルフたちとともに「デ・ステイル」を結成し、同名の雑誌を発行したモンドリアン。垂直と水平の直線、三原色と無彩色の組み合わせから構成される美しさについての理論「新造形主義」を強く主張し、晩年まで幾何学的な抽象画を精力的に描きました。
モンドリアンの作品のほか、「デ・ステイル」の中心作家として活動したリートフェルトのアームチェアシリーズなど同時期の作家たちの関連作品なども展示。20世紀を代表する画家・モンドリアンの軌跡を辿ってみませんか。