インタビュー・モノ

今、新たな鼓動をもって展開している「東海のものづくり」にスポットを当てて、作り手の想いやこだわりに迫ります。ものづくりの宝庫ともいえる、東海エリア。有名どころから知られざる逸品まで、掘り起こします。

前編はこちら

 
カラフルなカラーバリエーションで、毎日の食卓が楽しくなる「SAKUZAN DAYS(サクザン デイズ)」。手がけるのは美濃焼の産地・岐阜県土岐市で、約10種類の土と約100種類の釉薬を組み合わせて、さまざまなシリーズの器を展開する作山窯。
後編では、作山窯の工房へ潜入。「SAKUZAN DAYS」をはじめとする器がどのように作られているのか、見学させていただきました。

 

↑「SAKUZAN DAYS」のSara Free cup。スッと手に馴染む形状の秘密は…
前編記事をご覧ください!

 

器に合わせて、土を使い分ける

 

作山窯の工房内奥にズラリと並んでいるのが、土の入っている容器。黒っぽい土や、白っぽい土、サラサラしている土や、ざらっとしていて目の粗い土など種類はさまざま。この中から違う種類の土をブレンドして使うこともあるそうです。「SAKUZAN DAYS」に使われているのは磁器土。白っぽくてきめが細かくさらさらしていて、滑らかな質感に焼き上がります。この土を「土練機(どれんき)」で真空状態にしてから、器作りがはじまります。

 

↑工房を案内してくれた松下絵美さん。作山窯で器づくりをはじめて3年目。主に、器の生地や形をつくる作業に携わっています。

 


↑「SAKUZAN DAYS」に使われる磁器土。ガラス質の白っぽい土で、滑らかな質感が目で見てわかります。

 

人の手で整え、使いやすい器へ

 
「SAKUZAN DAYS」は石膏の型の中に土を入れて成型する、型押し方式で器の形に整えられます。素焼き後は、手作業で器のふちや側面の仕上げ。型から出した時点できれいに仕上がっているようにみえますが、このまま焼くと細かな引っ掛かりができてしまい、使い心地に影響するのだとか。職人さんが手作業で、滑らかに仕上がるよう削っていきます。

 


↑ロクロを回しながら、一つひとつ手作業で削っていきます。力加減を均等にし、すべての製品を同じ形に整えるため集中…!

 


↑左が削った後の器。よく見ると右の加工前の器に比べてふちの滑らかさが違うことがわかります。このひと手間が作山窯の器をより使いやすいものにしています。

 

約100種類の釉薬は、オリジナルで配合したものも!

 
素焼き後は、目に見えないようなちりまで丁寧に取り除いてから、いよいよ釉薬をかける作業。釉薬が入っている容器も、工房内に数多く並びます。釉薬は専門業者から仕入れていますが、ときには自社オリジナルで配合し、納得のいく色をつくりあげていくことも。「SAKUZAN DAYS」で使用されている色の中には、釉薬の調整に1ヶ月以上の時間を費やしたものもあるというから、驚きです!
 


↑釉薬をかける前に、色を付けない場所に撥水加工を施します。こうすることで、器の底に釉薬が付かないので、焼いた時に台に引っ付くことがなくなります。

 


↑作山窯で使用されている釉薬の数々。使う日の湿度によって、濃さを調節しながら使用します。チリが付いていないか丁寧に確認してから本焼きへ。

 


↑チリが付いていないか丁寧に確認してから本焼きへ。

 

絶えることのない“追求心”で、新しい商品を生み出し続ける

 
「SAKUZAN DAYS」のほかに、皿のエッジにストライプのような模様の入った「SAKUZAN STRIPE(サクザン ストライプ)」、エメラルドグリーンとホワイトが美しい「SAKUZAN FLOW(サクザン フロウ)」などの人気シリーズも。生活に寄り添った器をつくり続け、毎年春に5~6種類もの新作を発表している作山窯。髙井さんがこだわり続けるのは、使う人の目線にたった商品づくり。料理が盛られたうえでのバランスや、手触り、口当たりなど、自身が外食をする際にも、さまざまな視点から器の良さを追求し続けているといいます。
 


↑青の色味にこだわった「SAKUZAN STRIPE」。種類の違う青が3色と白い器のカラー展開。器にほどこされた、ひだ模様が美しい。

 


↑自然が良く映えるよう、シンプルに丸みを帯びた「SAKUZAN FLOW」。シンプルな調理の料理でも、盛ればたちまちオシャレな一品に。
 

使いやすく美しい。シンプルなようでありながらこだわりが詰まった「SAKUZAN DAYS」の器は、食卓を彩る、暮らしのアクセントになってくれそうです。

(写真:西澤智子 文:堀絢恵)
 
前編はこちら
 
 

SHARE

  • Facebook
  • Twitter
pagetop