スマトラ島やマレー半島南部の森林に生息する猿人類、フクロテナガザル。最近では東山動植物園のフクロテナガザル・ケイジくんの、一度聞いたら忘れられない大きな鳴き声が多くのメディアに取り上げられ、一躍人気モノになりましたね!
ケイジくんの、まるでおじさんのうめき声のような「あ゛~~!」という鳴き声。実は、この特徴的な鳴き声は、ケイジくん特有のものなんです。
↑東山動植物園のフクロテナガザル、ケイジくん
テナガザル類は、種によって異なる特有の鳴き声を持ち、種によって異なる特有の鳴き方をし、オス・メスによっても違います。また、個体ごとにも個性があり、ケイジくんは偶然あの鳴き声だったのです。ノドの袋を大きく膨らませてよく響き渡る声を発し、その声が届く範囲はなんと半径2㎞以上!霊長類の中でもとびぬけて大声なんだそう。
鳴く理由は、縄張りの主張やオス・メスでのコミュニケーションのためとも考えられています。鳴き声が複雑な音声パターンで構成されているため、「テナガザルは歌う」とも言われているのです!
↑ケイジくんのパートナー、マツさん
ケイジくんと夫婦のマツさんが、まるでデュエットを奏でているかのように掛け合いで声を発するのも見もの!マツさんが声を出さないとケイジくんも調子が出ないようで、あの絶好調の「あ゛~~!」という声にはなかなかたどり着きません。まさに息のぴったり合った夫婦のなせる技ですね!