天然染料のナチュラルな風合いながらも、どこか個性を感じるテキスタイルやフォルムがファンの心を掴むカジュアルウェアブランド「UZUiRO(うずいろ)」。
全国にファンを持つUZUiROですが、企画や製造を行っている工房兼店舗があるのは愛知県西尾市。前編ではブランド誕生のストーリーを紹介。後編では製造現場を訪れ、生地作りや染色、縫製の工房を訪れました。
店舗に隣接する工房では藍染めの染色を
熱のいらない藍染め作業については店舗に隣接している場所で行います。生地の状態で染めるものもあれば、服になった状態で染めるものも。どんな濃さにしたいかによって、染める回数を調整します。
単色でも風合いがでるのが、天然染料による染色の魅力。だからこそ、シンプルなデザインでも個性ある服が生まれるのです。
西尾ならでは!抹茶の原葉・てん茶も素材に
店舗から車で5分ほど離れた場所に、熱を使って機械で染色をする工房があります。素材はヤマモモやアカネ、柿渋などを使った草木染め。そのほか、西尾で育てられている抹茶の原葉となるてん茶も素材に使われています。
前編でも少し触れましたが、アパレル業界ではよくある、シーズンで売れ残ってしまった服が廃棄の道をたどってしまうという悩みを解決するべく、UZUiROでは注文が入ってから服に仕上げて売る、という方法をとっています。
「もったいないをなくす」そんな思いも、UZUiROのものづくりの軸に据えられています。
この場所の隣に、縫製が行われている工房があります。
自分たちの見える範囲で地道に
「今ある環境で、地域のネットワークがあって、地道に作り続けていって。緩やかな成長が理想です」と話すのはUZUiRO代表の青木淳さん。
実はコロナが流行した当初にマスクが売れすぎて、ちょうどその頃出産を控えていたデザイン担当の奥さまも生産や出荷作業で陣痛中ギリギリまで作業し、産後2日で再び作業に戻ったり、他のスタッフさんも作業に追われて大変だったりしたことがあったのだとか。
「海外にも販路を拡大するなど、広げようと思えば方法はいくらでもあるけど、今は取引先も素材の出どころも、売り場所も、自分たちの見える範囲で地道にやっていきたい」と青木さん。工房の隣にサウナを手作りしてスタッフが使えるようにしたりと、働く環境づくりにも意欲的です。
(写真:山本章貴 文:広瀬良子)
住所 | 愛知県西尾市一色町松木島榎31 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 木曜・日曜 |
駐車場 | 8台 |
TEL | 050-1807-3996 |