「ものづくり」の背景にあるストーリーを紹介。作り手の想いやこだわりに迫ります。 インタビュー愛知豊橋市


 
キクやバラをはじめとした切り花や鉢植えの生産日本一を誇り、「花の王国」とも言われる愛知県。しかし、花の王国といえども美しいことばかりではないのが現状。出荷量が多い反面、高品質な花を出荷するために厳しい出荷規定が設けられているため規定に見合わないものは出荷できず、廃棄されてしまう花もとても多いのです。
 
そんな花を救うため、廃棄されるバラを利用してできあがったのがデコレーションアイテム「ブルームシャワー」。手がけるのは、花男子プロジェクトでお話を伺った豊橋市の「HANAイノベーション」。ブルームシャワーの魅力とともに、コロナ禍で変化した花業界の新たな可能性についてご紹介します。
 
後編記事では、ブルームシャワー制作のこだわりや花業界を盛り上げるHANAイノベーションの新たな取り組みについて紹介。
記事はこちら→フラワーシャワーや手紙を華やかに。廃棄花を蘇らせた【ブルームシャワー】後編
 
「花男子プロジェクト」についての記事はこちら↓
花の生産量全国1位の地域で、花贈りの文化をもっと身近に。【花男子プロジェクト 近藤祐司さん】インタビュー
 
 
▼もくじ
・バラの美しさをそのまま生かして商品に
・おうち時間の彩りや、フラワーシャワーにも
・誕生のきっかけはフラワーロスに悩む農園の声
 
 

 

バラ本来の美しさを詰め込んで

 

↑パッケージ1つに、切り花5本分のバラの花びらが入っています。
 
HANAイノベーションが本社を構える豊橋市は屈指の花生産地であり、お隣の豊川市はバラの生産量全国1位。そんなバラの美しさと上品さを残しながらも、生花とは違って長い間幅広い用途で楽しめるのが、SNSなどの写真撮影やインテリア、イベントなどの飾りつけ、手紙に入れて贈ったりと幅広く使えるデコレーションアイテム「ブルームシャワー」です。
 

↑着色料は不使用。花の美しい色合いをそのまま生かしています。
 

↑花びらは赤(左)、黄(中央)、ピンク(右)の3色のラインナップ。
 
現在のラインナップは、飾りつけやフラワーシャワーに使える「ブルームシャワー テトラ」、手紙と一緒に花びらも贈れる「レターセット」「オリジナルポストカード」の3種。
それぞれ花びらは赤、黄、ピンクの3色ありますが、今後はカラーバリエーションや花の種類を増やしていきたいのだとか。
 

↑封筒、便箋、花びらがセットになったレターセット。封を開けると華やかな香りが広がります。バラは色によって花言葉が異なるため、贈る相手に合わせた色を選ぶのもいいかも。
 
ロゴデザインやパッケージも、手に取りたくなるようなかわいらしさと少し高級感のあるものに仕上げたのだそう。立体的なテトラ型パッケージの「ブルームシャワー テトラ」は、ディスプレイされていてもパッと目に留まります。
 
 

 

おうち時間やSNSに癒しと華やかさを

 

↑「花をそのまま吊るして作るドライフラワーとは、ひと味もふた味も違うアイテムになりました」と語るのは、HANAイノベーション代表の近藤祐司さん。
 

画像提供:HANAイノベーション
 
花本来の優しい色味が魅力で、おうち時間や誕生日、結婚式などを彩るデコレーションにピッタリのブルームシャワー。フレグランス事業も行っていることからHANAイノベーションが得意とする香料によって、華やかな香りが広がります。
 
画像提供:HANAイノベーション
 
お風呂やお部屋で水に浮かべれば、アロマ効果も期待できます。また、お祝い時などにフラワーシャワーとして使用すると造花に比べて高級感が増すうえ、生花の花びらより水分量が少ないため浮遊時間が長く、ふわりと美しく舞う姿が楽しめるのだそう。
 

 
まだまだ使い道がありそうなアイテムですが、HANAイノベーションの企画ディレクターである太田春菜さんは「ユーザーさんそれぞれに、新しい使い方を見つけてもらえたら嬉しいし、SNSなどでその知らせが届くのが私たちも楽しみです」と、語ってくれました。
 
 

 

花農園の“悲しい思い”を晴らしたい

 

↑会社立ち上げ当初から行う仕事や取り組みは意識せずともSDGs的視点につながっていると話す近藤さんと太田さん。
 
ブルームシャワーが生まれたきっかけは、長年、廃棄花=“フラワーロス”に頭を抱えていたバラ農園の声でした。
 

画像提供:天野バラ園
 
「手間暇をかけて育てた花が悲しい運命になってしまうのをどうにかできませんか?とおっしゃられたんです」と近藤さん。花の王国・愛知は出荷規定も他県に比べて厳しいため、少しの曲がりや咲き加減によって基準から外れ、市場やお店に並ぶことなく廃棄されてしまうものが多いのです。
 
そんな思いからフラワーロスを減らすため、そしてその現状を知ってもらうため、ブルームシャワーは生まれました。
 

 
さらに、もう一つの目的として太田さんから「花を飾る習慣がなかった人たちが花を楽しむきっかけになれば」という思いも。
 
暮らしに明るさと癒しを添えてくれる生花ですが、普段生花の扱いにあまり慣れていない人にとっては水の入れ替えなどの手間だけでなく、フラワーショップに足を運ぶこと自体もなかなかハードルが高いもの。
 

 
そのため、フラワーショップ以外の場で花に興味を持ってもらおうと、今後は雑貨店やカフェ、キャンプ場などでブルームシャワーの販売をしたいと言います。「ブルームシャワーをきっかけに花に親しんでもらい、最終的には生花を購入してもらえたらいいなと」。ブルームシャワーは花の需要を増やすための架け橋的存在でもあるのです。
 
後編記事では、ブルームシャワー制作のこだわりや花業界を盛り上げるHANAイノベーションの新たな取り組みについて紹介。
記事はこちら→フラワーシャワーや手紙を華やかに。廃棄花を蘇らせた【ブルームシャワー】後編
 
 
(写真:岩瀬有奈 文:佐藤奈央)
 
 

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