モダンなインテリアのアクセントに! 老舗メーカーが手がけるシックな植木鉢 【VINTAGE GLAZE】後編


前編はこちら
 
product_25_1
 
焼物のまち・碧南市が誇る、日本屈指の植木鉢メーカー
 
現代の生活空間にやさしく溶け込む植木鉢「VINTAGE GLAZE(ヴィンテージ グレイズ)」の製造現場とはいかに。製品に息づく匠の技を見学するため、井澤製陶の工場を訪れました。初代が1931年に創業し植木鉢づくりを始め、2代目が大型機械を導入し生産を拡大、現在では全国でも1・2位を争う生産量を誇っています。「分業制が主流の焼物業界における当社の特徴は、植木鉢の型となる石膏づくりから焼成までを一貫して手がけていることです。それにより各工程につくり手のこだわりを反映し、細部にまで納得のいく製品をつくることができます」と代表取締役の井澤賢次さんは説明します。
 

product_25_2
井澤製陶の工場は、丸みを帯びたかわいらしいロゴが目を引きます。

 
まず案内されたのが、植木鉢のフォルムを形づくる成形機。粘土が入った石膏にローラーを押し込むことで、あっという間に粘土が植木鉢の形に引き伸ばされます。「植木鉢は植物の成長を長期間にわたって支える存在。だからこそ、三河地域で採れる良質な粘土は強度のある植木鉢をつくるうえで欠かせません。また、少しでも耐久性を高めるために、粘土に含まれる空気をしっかり抜くといった工程も必要となります」。植木鉢づくりが地域の土壌と丹精な下準備に支えられている産業であることが分かります。
 

product_25_3
成形された粘土のマットな質感もいいですね!

 
先人から継承した技術・設備が、現代の挑戦を支えている
 
広い工場を進むと、初代から受け継がれる手動成形機械が!現在は、「VINTAGE GLAZE」の受け皿の成形に使用されています。「植木鉢との一体感にこだわりたいと思い、植木鉢・受け皿の型づくりのプロである『原型師』のもとで修行し石膏をデザインしました。自動成形機と比べると生産量は限られますが、細やかな操作が可能な手動成形機の方が受け皿をつくりやすいことから、この昔ながらの設備が活躍しています。陰ながら私たちの挑戦を支えている井澤製陶の財産のひとつです! 」。
 

product_25_4
受け皿の石膏だけでこのバリエーション! 細部へのこだわりを感じます。

 
次に見学したのは釉薬をかける工程。2日半かけて乾燥させた成形粘土に井澤製陶が独自に配合した三河釉薬をスプレーで均一にかけていきます。思わず見入ってしまうほどの繊細な手さばき! 薄くかけてしまうと深みのある色に仕上がらず、かけ過ぎてしまうと釉薬の垂れ跡が残ってしまうことから、職人としての経験が求められます。随所に散りばめられた手仕事が「VINTAGE GLAZE」を形づくっていたのですね!
 

product_25_5
愛情を注ぐように釉薬をかけたら完成までもう少し。窯で20時間焼き上げます。

 
1+1=無限大! 井澤製陶の挑戦はこれからもつづく
 
「日本の伝統文化である『盆栽』は、『盆』は器、『栽』は樹と、どちらかが欠けると成立しない美しさを表しています。これは植木鉢づくりを担う当社としては、忘れてはいけない考え方。植物の引き立て役ではなく、植物と相互に魅力を高め合えるような製品をつくっていかなければならないですね」と井澤さんは力強く話します。
 

product_25_6
「VINTAGE GLAZE」は種類を問わず植物の個性を受け入れる包容力に満ちています。

 
この「引き立て合う」という盆栽の関係性は、井澤賢次さん自身が体現しています! 弟の亘亨(のぶゆき)さんは賢次さんの良き理解者でありサポート役として10年近く会社を牽引。「VINTAGE GLAZE」の開発にも携わりました。「冷静に物事を考える弟は、ついひとつの事柄に集中してしまう私にとって新たな気づきを与えてくれる存在です」と話す賢次さんに対し、「対照的な性格の兄弟ですよね。だからこそ互いの欠点を補い、長所を最大限発揮できていると感じています。これからも力を合わせて一人でも多くの方々に、植物のある生活の魅力を伝えていきたいです」と亘亨さんは照れながら話します。
強い信頼関係で結ばれた兄弟が手がける「VINTAGE GLAZE」。植木鉢の新たな可能性を開花させた逸品は、これからも静かに、美しく、人々の生活を彩っていくことでしょう。
 

product_25_7
左から兄・賢次さん、弟・亘亨さん。これからも兄弟の絆が、植木鉢の未来を明るく照らしていきます!

 

(写真:西澤智子 文:西村友行)

 

前編はこちら
 
 

New Report

2026-10-21

東海ムーブメント仕掛け人

名東区西山界隈・星ヶ丘界隈を舞台に街中をアートやデザインで彩る【なごや裏山芸術祭・植村康平さん】

2025年に初開催された、名東区の西山商店街を中心としたアートイベント「なごや裏山芸術祭」。今年は「より街の人々や場所、子どもたちに向けた芸術祭」をコンセプトに、地域に根差した芸術祭が予定されていま...

2026-10-17

TOPICS

美濃焼産地・土岐の魅力を堪能「うつわさがし2026」10/24(土)・25(日)

美濃焼の一大産地である岐阜県土岐市で、うつわで市内がつながる陶器イベント「うつわさがし2026」が、2026年10月24日(土)・25日(日)に開催されます。 土岐市の陶磁器の歴史は約...

2026-10-14

TOPICS

台湾の夜市気分を満喫「台湾・台中夜市2026」10/31(土)~11/3(火・祝)

台湾の夜市文化を楽しめる「台湾・台中夜市2026」が、2026年10月31日(土)~11月3日(火・祝)に久屋大通公園 エディオン久屋広場で開催されます。 会場には、台湾料理や台湾ドー...

2026-10-10

TOPICS

絵本が生まれるまでの秘密に迫る「かがくいひろしの世界展」10/17(土)~11/15(日)

累計発行部数1000万部を超え、子どもたちに広く愛される絵本「だるまさん」シリーズ。その作者・かがくいひろしさんの創作の軌跡をたどる大回顧展「かがくいひろしの世界展」が、2026年10月17日(土)...

2026-10-08

書店員の本棚

野菜と果物がもっと好きになるおすすめの本3冊:「本屋tsuide」(愛知県犬山市)

名鉄「犬山」駅西口から国宝・犬山城の城下町へ向かう道沿いに、ふんわり甘い香りが鼻をくすぐる「菓子屋shirushi(しるし)」という菓子屋があります。その2階に、「犬山観光やお菓子を買いに来る“つい...

2026-10-07

TOPICS

名古屋城開催!15周年特別企画も「SOCIAL CASTLE MARKET 2026」10/10(土)・11(日)

名古屋最大のマーケットイベントのひとつ「SOCIAL CASTLE MARKET 2026」が2026年10月10日(土)・11日(日)の2日間、名古屋城で開催されます。 久屋大通公園...

2026-10-06

TOPICS

全国から130以上の作家が集結「第24回 GIFUクラフトフェア」10/10(土)~12(月・祝)

JR岐阜駅に直結する商業施設・アクティブGを中心に、岐阜シティ・タワー43、JR岐阜駅、アスティ岐阜が会場となり、全国から130以上のクラフト・ハンドメイド作家が集まるイベント「第24回 G...

2026-10-01

しょく育

名古屋の伝統工芸品「尾張仏具」の技術で香皿作り!大須・ノヨリで歴史ある彫刻技法を体験

愛知県名古屋市を中心とする尾張地方で製造され、300 年以上の歴史をもつ伝統的工芸品「尾張仏具」。名古屋・大須にある「ノヨリ」の工房では、代々受け継がれてきた尾張仏具の“錺(かざり)金具”技...

2026-09-28

TOPICS

知多木綿と岡田地区の魅力を体感「CHITA MOMENT2026」9/26(土)~10/18(日)

知多市岡田地区のまちが丸ごと会場になる散策型イベント「CHITA MOMENT 2026」が2026年9月26日(土)~10月18日(日)に開催。知多木綿の魅力をはじめ、岡田のまちの歴史や文化、地域...

2026-09-24

シーズントリップ

気になる熊対策も!山登り初心者も楽しめる【愛知・岐阜・三重のおすすめ低山2026】

風が心地いい秋は登山に絶好の季節。日常から離れて自然の中で過ごすひとときは格別です。しかし近年は熊対策も気になるところ。アウトドアショップ「好日山荘 名古屋栄店」店長の安藤雅人さんに、熊対策と愛知・...

2026-09-19

TOPICS

表情豊かな動物たち「岡崎市制110周年記念事業 はしもとみお木彫展 いきものたちとの旅」9/19(土)~12/6(日)

動物たちの姿を、まるで生きているかのように木彫で表現する彫刻家のはしもとみおさん。その作品を一堂に紹介する「はしもとみお木彫展 いきものたちとの旅」が2026年9月19日(土)~12月6日(日)、愛...
pagetop
もくじ